2026年4月、帰敬式実践運動が始まり30年を迎えます。2017年には、帰敬式受式の機会を拡げることを願い、複数の寺院が合同で行う帰敬式については、受式者本人及び所属寺院住職の同意を得た上で、宗務総長の承認により、受式しようとする門徒が所属するいずれかの住職にその執行が可能となりました。ここでは、組や地域を基軸とした共同教化の更なる展開を願い、複数の寺院が合同で行う帰敬式を紹介します。
すべての「同朋の会推進講座」受講者に帰敬式の受式を(東北教区山形第1組・第2組)
東北教区山形第1組・山形第2組では、2024年度に実施した「同朋の会推進講座」にあわせ、心縁寺において7ヵ寺合同の帰敬式が行われ、14人が受式されました。同朋の会推進講座では、後期教習(真宗本廟上山)の際に帰敬式を受式することが多く、過去の講座では、都合によって後期教習に参加できない方が帰敬式を受式せずに講座を終えられる場合がありました。
「帰敬式をぜひ受式してほしかった」とのスタッフの思いから、今回の講座では前期教習で帰敬式を取り入れ、第5回の講座で合同での帰敬式が行われました。これまで一緒に講座を受けてきた仲間と共に、仏弟子としての第一歩を踏み出すことができました。
帰敬式終了後はお茶会が開かれ、「大変厳かな雰囲気の中で法名をお受けすることができ感激しました」、「本山にお参りして受式することが体力的に難しいと思っていたが、地元で帰敬式を受けることができてたいへんありがたい」等、受式された一人ひとりが思いを語り、お互いに仏弟子となったよろこびを確かめ合う場となりました。
「同朋の会推進講座」とは
1988年に始まった推進員養成講座は2017年に「同朋の会結成と充実」を明確にすることを趣旨として「同朋の会推進講座」に名称変更。推進員になられる方には帰敬式を受式いただいており、後期教習の際、真宗本廟で受式することが多い。

教化の重点施策として(九州教区大牟田三池組大牟田中部ブロック)
九州教区では、教化の重点施策として「帰敬式受式の奨励」を位置づけ、寺院での帰敬式をはじめ、組やブロックでの帰敬式執行の場の拡充に取り組んでいます。福岡県大牟田市に位置する大牟田三池組大牟田中部ブロックでは、願行寺において8ヵ寺合同の帰敬式が行われ、4人が受式されました。
このブロックでは、「帰敬式がきっかけとなり、仏法を聴聞する生活が始まってほしい」との願いのもと、8ヵ寺合同で毎年8月に勤まっている「大衆供養法要」にあわせて、2024年から合同帰敬式を行っています。
受式者からは、「受式をとおして法要に参拝する意味をあらためて確かめることができた」、僧侶からは、「一ヵ寺の執行はハードルが高く感じたが近隣の寺院と協力することで安心して取り組むことができた」、「歴史ある法要の場が帰敬式受式の機会となったことが大変感慨深い、法要を大切に相続してきたことが新たな場の誕生につながった」との感想が聞かれました。

(真宗大谷派宗務所研修部)



























