長浜教区第24組「同朋のつどい」
さる6月11日、滋賀県長浜市にある木之本駅の近く「木之本スティックホール」を会場に、長浜教区第24組「同朋のつどい」が開催されました。
街の至るところにポスターでの案内がなされ、会場がお寺ではないこともあって、地域を挙げての行事という雰囲気が伝わります。昼食会場の設置や、食事を提供する業者との動きも手際よく行われ、たくさんの人が訪れることが開始前から伝わってきました。
「つながりあって生きる幸せ」をテーマに
午前10時より開会式。勤行は子どもたちが導師をつとめ、ステージ上で行います。東本願寺からキャラクターたちも駆けつけ、会場が一体となるお勤めになりました。
従来よりお伝えしてきたとおり、この長浜教区第24組は、企画調整局による「元気なお寺づくり講座」を受講した組です。そのしめくくりとしての企画にあたる今回の同朋のつどいということもあり、企画調整局の職員も登壇し、講座を重ねる中で見えてきた宗門の課題、そして長浜教区第24組の寺院と地域の可能性についてお話させていただきました。
注目したいのは、お勤めを終えた子どもたち。ホールの中には姿が見当たりません。そこで探しに出てみると、なんと講演中は別のおやつを用意した会場で、映画やアニメの上映会が開かれていました。講演は約1時間ですので、大人は集中してお話を聞き、子どもたちは次の時間まで楽しみながら過ごすことができます。上映会だと子どもたちが動きまわらないので、付き添いのスタッフの人数も少なくて済みます(保育士・幼稚園教諭の資格を持つ人が協力)。同朋の集いや講演会に、世代を超えて参加してもらえる会にしていくために、参考になる点だと感じました。
川村さんの講演では、川村さん自身のご家族との経験から、「心の動きをそのまま受け止める。悲しい思いも、決して暗いことばかりを生み出すものではないという」お話があり、生活のなかでの苦労や悩みに共感し、深く聞き入っている参加者の皆さんのお姿が印象的でした。
有料にしたお昼ごはん
お話を聞いたあとは、いよいよお昼ごはん。従来の同朋のつどいでは、お弁当を無料で用意していたそうですが、数が合わなかったり、食べられない食材に対応できなかったりと、無駄を感じることも多かったそうです。この点が準備の話し合いの場で検討され、「お昼ごはんは、自分たちの好きなメニューを、好きな分だけお金を払って選んでもらったほうがいいのではないか」という方法を今回から始められたそうです。
メニューはカレーライスと総菜パン。
カレーライスは、ケータリングをCOCO壱番屋に依頼し、通常メニューの半分のサイズで、通常の辛さと甘口の2種類を用意し、いずれも400円で販売。お店からは4人のスタッフが配置され、容器への盛り付けなどはすべてスタッフが行うため、衛生管理もお店側が請け負います。
総菜パンは、地元木之本の老舗パン屋さんである、つるやパンに依頼。サラダパンで有名なお店ですが、この日は珍しい種類が沢山!つどいの閉会まで、1つ150円で販売されていましたが、山のように用意されたパンは、閉会の時には完売していました!
飲み物は、お昼ごはん会場の外で、冷やしたお茶やジュースを販売。
大変なにぎわいでしたが、カレーライスや総菜パンを、あらかじめ「同朋のつどい」の受付時から販売することにより、行列が早く回転するように工夫されていました。
地域・世代をつなぐ「音楽タイム」と「活動タイム」
昼食の後は、ホールを会場に「音楽タイム」。まずは、「なんまんだぶつの子守歌」「回向」といった仏教讃歌の合唱があります。続いて、地元の音楽グループによるリコーダー、ハンドベル、ヴァイオリンの演奏、そして琵琶湖を題材とする滋賀県に馴染み深い曲をみんなで合唱するなど、和気あいあいとした雰囲気が広がります。
全員での合唱の際には、歌詞を見ながら歌えるように、カラオケ風の字幕映像がプロジェクターで放映され、会場内の人が歌詞を見ながら歌えるよう工夫されていました。
続いて、大人も子どもも楽しめる「活動タイム」。青少幼年教化のイベントとしておなじみの「手作り念珠」コーナーや、「缶バッジづくり」のコーナーをはじめ、講演の間は子どもたちの映画鑑賞の会場となっていた「伝承館」は、「昔の遊び」コーナーとして懐かしいおもちゃが取り揃えられていました。
けん玉、めんこ、だるま落とし。ほかにも、こま回し、ビーズ、お手玉などもあり、遊び方がわからないものは、スタッフが教えてくれます。シンプルな仕組みのおもちゃばかりですが、なかなか上手くできないところがもどかしさや、くやしい表情が会場内にあふれ、成功したときには歓声もあがるなど、場内は楽しさがつないだ一体感が生まれていました。
また、場内地図が記載されているしおりには、あわせて子どもたち対象のシールを集めるポイントが記されており、ウォークラリーとしても楽しめる工夫が盛り込まれていました。
充実感あふれた閉会式
閉会式にも、楽しむための工夫が見られました。
閉会式のためにホール内に集まると、舞台上に景品が並べられています。滋賀県の工芸品や地ビールなどの特産品、生活に便利な品など、なるべく多くの人に手にしてもらえるように数多くの景品が用意されていました。ホール入口で配布された抽選権を手にし、抽選会が行われます。
「地域とお寺がつながりあい、その可能性を広がりを確認できる同朋のつどいになった」という組長のお言葉のとおり、世代を超えた「つながり」を感じる場が開かれていました。そして、その場を作るには、教区をかたち作る1人ひとりが意見を出し、その出された意見が尊重されることが必要です。「元気なお寺づくり講座」を経験した長浜教区第24組では、こうした意見を出すこと、生かすことを「同朋のつどい」という場で実践したことが、今までと一味もふた味も違う、また、何より参加する人がテーマである「つながりあって生きる幸せ」を実感することのできるつどいの成功につながったのだと思います。