様々な年代の人と意見を交わした。その気づきを友達にも伝えていきたい
【なぜ、お寺の活動にワークショップ?】
4月13日(土)午後、青森県青森市本町の蓮心寺を会場に、「みんなでかんがえませんか? お寺で出来ること・出来そうなこと」(以下「みんかん」と表記)をテーマとしてワークショップが行われました。
そもそも、なぜワークショップを行うことになったか?
その理由は、2018年から蓮心寺で行われている「宿題合宿」について、今年の夏はどんなコンセプトでどんな事を取り入れて行うのか、ということを寺族だけでなく関わっていただいたスタッフと、共に作り上げていこうという願いがあったからです。
そこで、宿題合宿のスタッフを対象にご案内したところ、高校生1名・大学講師1名・御門徒5名・近隣寺院寺族1名・テラスクール1名(インターネットでの参加)の9名の参加がありました。
講師(コーディネーター)は企画調整局参事であり、蓮心寺副住職の本間義敦が務めました。
【オリエンテーションで名札作り-チェックイン】
ペンの種類や紙の種類を選んでいただいて、自分だけのオリジナル名札を作成。
それぞれ個性的な名札が出来上がったところで、それぞれ30秒で「お名前」と「参加しての気持ち」を含んだ自己紹介をしていただきました。
【資料を読み解き、お寺や社会の変化を確認しよう】
次に資料を読み解きながら社会の変化やお寺の変化をみていきました。
特に変化を大きく捉えていく上で、3つのことに注目していきました。
★3つの注目すること!★
(1)人口減の中、家族は単身化(お一人様)へ。親から子へ…とは物事が伝わらない時代。
(2)近距離であっても引っ越しをきっかけにお互い関係が切れやすい。
お寺もタイミング次第で「無くても困らない」「無いほうがよい」と縁が切れていく。
(3)人々にとって「欠かせない場」とはどんなところか?求める人の思いを読み解き、伝える仕組みづくりが必要。
この3つはお寺だけに限っての問題ではなく社会全般に通じている事である、と参加者と確認をしました。
【ワークショップをやってみよう!!】
休憩の後、2班に分けてワークショップを行いました。
テーブルに模造紙・赤青の付箋・人数分のサインペンを用意。
模造紙には以下のように書いていただきます。
この5つに区切られているところに付箋を貼っていき、それぞれのニーズ・アイデアを可視化していこうというのが目的です。
フレームを書き終えたら、青の付箋に「社会変化でのお寺へのニーズ」を書いてもらいます。
それぞれの手元にたくさん書きためてもらいます。まずは、自分で考えて書く時間です。
次に、赤の付箋に「お寺で出来そうなアイデア」を書いてもらいます。
模造紙に書いた内側の4つの枠、「御門徒さん」「小学生」「地域・一般の方」「学生」にどんなアプローチが出来るのかを考えながら、書きためていただきました。
その後、各グループで書きためた付箋を模造紙の上に貼り付けていき、ニーズ・アイデアを共有しました。
みなさん、ワークショップは初めてとおっしゃっていましたが、たくさんのニーズ・アイデアが出されました。
【発表から見えてきたこと】
ワークショップの最後は、各班でたくさん出てきた意見を集約し、発表していただきました。
これから重要だと考える点を「社会変化でのお寺へのニーズ」と「お寺で出来そうなアイデア」を合わせて3つに絞っていただきました。
それぞれの班の発表で共通していたのは「若い世代」との関わりをどのように行うのかということでした。
「若い世代が帰ってきた時に立ち寄ることの出来る開かれた場所」
「若い世代にとって敷居が高く感じない工夫」
「子供たちにお寺の環境を生かして自然に触れる体験」
などが出てきました。
その他の意見では、
・外国人への対応
・お料理教室・ヨガ教室・音楽教室などの教室開設
・コンサート・落語会・お茶会などイベント系
・放課後の児童館・夏休みなどに学習会など学習系
・教えを聞く場所・学べる場所・簡素化出来る葬儀など寺院運営系
・一人暮らしの方・子育て中のお母さんの拠り所になる場所
2班のニーズ・アイデアを俯瞰してみると、人とのつながりをお寺が担っていくということが見えてくるようでした。お寺がどんな場所でありたいかということが、参加された方それぞれにあったのではないでしょうか。
【もう一度自己紹介-チェックアウト】
チェックアウトでは、最後にもう一度自己紹介を行うことです。お名前と講座を通して感じたことを述べてもらい、それぞれの思いを共有してもらう時間です。
・普段考えているような思いを言語化することが難しいと感じた。
・様々な年代の人と意見を交わした。その気づきを友達にも伝えていきたい。
・宿題合宿本番までワークショップを重ねていけば、いろんな意見が出てきてきっといいものができる気がする。
・お寺はこうあるべきという考え方ではなく、もっと自由に考えることができるとわかった。
・このワークは中学生でも楽しめると思う。実際に中学生とやってみたらもっと大事な視点が見つかるかも。
ワークショップはそれ自体が解決方法ではなく、いろんな考えを出し合える場作りであるということが今回の「みんかん」で体感したことです。
〝最良の答えを生み出すこと″も大事かもしれません。
しかし、〝相談して共に悩んで考えるつながりができること″がワークショップのイイところであり、楽しみ方の一つではないかと思います。
この夏に向けた、みんなでつくる青森蓮心寺「宿題合宿」への歩みを今後もご期待ください!!