【第6組の青少年部会・活動を始めて30年。-今の時代に即応した児童教化がやりたい!】
熊本教区第6組の組長を務められている菊池政和さん(江善寺住職:阿蘇郡南阿蘇村)をお訪ねして、第6組の児童教化活動や推進員養成講座が元気よく展開されている背景などをお聞きすることができました。
第6組では青少年部会が誕生して30年が経ちました。部会では青壮年のつどいなど、様々な活動をしていますが、その中で7年ほど前から本山の子ども講座を縁として、「ロクッソ・キッズ」と名付け、6組の子ども講座をスタートしました。ここには「一人からの子ども会を」という願いがこめられています。
約60キロ圏の寺院の子どもたちを手掛かりにして、新住職や若坊守さんのネットワークをフルに活用しやり始めました。教区の事業などに重ならないように開催の時期を考え、子ども報恩講を盛り込みつつ、各寺院の花祭りなどの連携をはかりたくさんの人の参画を得ています。
「部会参加者から、お寺に泊まるという体験をさせたらどうかという発案が出され、お寺に泊まるようにしたら、大変好評でした。かつてはお寺は子どもの遊び場であり、身近な存在であったはずですが、今となってはお寺という場そのものが本当に珍しいようです。門徒さんに限らず地域の方々の口コミ、また子どもたち同士も呼びかけあって集まってくるといった感じです」
と菊池さん。お寺という広い空間で年代を超えて何かを体験してもらうことの大切さがあると考えています。結果は何十年先に出るかわからないですけど…(笑)とも。
【子ども会はアイディアの宝庫-大人の思惑と違った反応がでることが面白い】
こだわっていることは、自由な発想と徹底的な手作り。これは組の婦人会組織をはじめ、門徒さんの協力に助けられながらできることです。そこから生まれる強いつながりを感じます。まさに皆がすぐれた指導者・スタッフとして活動できるように心がけています。
地域がら子どもは全体的には少ないのが現状ですが、お寺に人が集ってつながりを深めるカタチが継承されているということです。各寺の花祭り、誕生会、夏の子ども会、子ども報恩講など、その情報交換がすすみ、結果的にそれぞれに工夫を凝らすことができるようになってきました。
子ども講座のためのスタッフ企画会議では、大人のほうが大盛り上がりするほど。たとえば自分で探した小石に直接絵を描いたり、棕櫚(しゅろ)の葉を使ったバッタ作り、念珠作り、モンキーブリッジ、大型紙芝居、立体紙芝居、夕涼み子どもテント、寸劇「肉付きの面―ババの涙―」、お寺での宝探し(お寺の部分写真を渡してその内容を探すあそび)など、思いつきにしては大変練りこまれた面白い企画ばかり。
自分で作った念珠や紙製の肩衣を身に着けて子ども報恩講に参加するようにしたこともあり、ごく自然にお寺にかかわってもらうための工夫を凝らした企画リストは次から次へと浮かんできます。大人も子どもも喜べ、1人を大切にする企画を考えなくては、とのことでした。
【手作り寸劇で大盛り上がり。役者ぞろいの第6組】
阿蘇は楽や能が地域の文化の中に醸成されています。寸劇は皆さんに受けがよく、お寺の花祭りに演劇出張もされているとのことです。台本もスタッフ全員で相談しながら作成、調整します。最近では新作「おぼうさんになったしんらんさま」が完成。新趣向として紙に書いた絵を動かす形式の立ち絵紙芝居形式としたところ、大変好評でした。これは行ける!と思った企画がイマイチだったり、思いがけなく喜んでもらったり、試行錯誤ですがそれがまたとても面白い。全国的に、演劇を通じて仏教の教えや親鸞聖人のご生涯をお伝えする方々が目立ってきたことも感じさせられました。
【自家製赤本くん、青本くん登場。次は緑本くんを!】
お話をお伺いしていると、何やら菊池さんが奥の方から持ってこられました。なんと、自家製赤本くんと青本くん。
ちょうど良い段ボールがあったので作っただけ(笑)
とのことですが、それぞれの表紙をめくると「食前の言葉」と「食後の言葉」が書かれていました。今度は、みどり本くんも製作予定だとか?表紙をめくったら何が書かれているのか楽しみです。いろんなことが試行錯誤中だとおっしゃっていますが、本当に皆さんで楽しそうに取り組まれています。
坊守さんと6組のスタッフの方からは、アイディアも含めて、100円くらいで購入できる安価な記念品・グッズを兎に角たくさん作ってほしいとの希望も出されました。近頃は難波別院で製作されているグッズを重宝されているとのことです。
第6組の青少年部会では子ども報恩講を行うことにより、共同教化とお寺の活性化を一緒に取り組んでいる実例だと感じました。子ども会は確かに求められているし、同時に高齢者が活気づく、そのようなことが時間をかけて根付き伝承されている、温かい雰囲気を感じることができました。