真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の5つの重点教化施策の一つとして、「真宗の仏事の回復」を進めています。これは朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事が、御本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していくための取り組みです。ここでは各教区の動きを紹介します。




よんでみらーれ特別版(2021年度発行)

高岡教区では、新型コロナウイルス感染症感染拡大を機に、『よんでみらーれ特別版』を発行しています。

当初は、門徒さんと会う機会が減ってしまうので、過去に発行していた『よんでみらーれ』を特別版として発行しておりました。最近は、コロナ以前までとは言えませんが、門徒さんと会う機会は回復の傾向にあり、特に門徒さんの方から

「もう再開していいんじゃないか」

「コロナでイベントがない。お寺で何かやってくれないか」


という声まで聞こえてきます。


そんな中にありましたので、『よんでみらーれ特別版』も役割を終えたのではないかと考え、発行数を減らしておりました。そうすると、

「次の『よんでみらーれ』はまだか?」

「次は誰が『よんでみらーれ』を書くんだ?」

「今回の『よんでみらーれ』は読みやすかった。次回も期待しているよ」

というような門徒さんの声を、住職さんたちから報告いただけるようになりました。


『よんでみらーれ』のように、読み物を発行する教化活動ではなかなか実感が得られず、本当に効果があるのかと不安になってしまいます。でも、住職さんたちから報告いただくことによって門徒さんの声が届けられると、その思いを感じ、元気になっていきますね。

「○○という門徒さんは、法話は聞かんが、こういう文章は大好き」

「『よんでみらーれ』は文字数が少ないから、すぐ読める。本は読めなくても、これなら読める」

「毎月、門徒さんには同朋新聞などをお渡ししているが、A4一枚なので同朋新聞にはさむだけでいい。配りやすい」


こういう話を聞いていると、それまでは漠然としていた門徒さんの姿が、その顔までも見えてくるように感じます。
さらに言えば、その門徒さんたちは、教区や組の主催の研修会などでは目の当たりにすることもない方々ではあるのでしょうが、そのような方々に何かを届けることが出来たと感じます。


コロナをご縁に、高岡教区でもオンラインでの活動に力を入れております。教区YouTubeチャンネルの開設やオンライン研修会の開催などをしております。その活動とは、全くご門徒さんの層は違うと思いますが、似たような感覚を覚えます。


「門徒さんの声を聞く」という時、大抵は直接対面して実際の声を聞くということを思いますが、今回の『よんでみらーれ特別版』の取り組みにより、教区の教化活動が住職さんたちを通して、これまでも、そしてこれからも、会うことがないであろう門徒さんに何かを届けることができ、そしてそんな門徒さんから思いを伝えてもらえる。これも「門徒さんの声を聞く」ということなのだということを、改めて感じさせていただいております。


(高岡教務所)