12月3日から4日の2日間にわたり、札幌別院において北海道教区慶讃法要お待ち受け大会が開催され、サテライト会場を含め約300人が参加しました。新型コロナ感染状況は第8波のピークを越え、道内での感染者数が減少傾向にある時期であったものの、感染予防として札幌別院の他、道内の5別院にサテライト会場を設け、多くの教区内寺族・ご門徒がリモートでの参加となりました。
3日には札幌別院において大谷暢文鍵役の剃刀による帰敬式が執行され、54人が受式。仏弟子として歩みだされました。4日の大会では、開催に先立ち、オープニングとして記念ソング『ヒカリコトバ』が札幌で活動するArt Wave Promotionによるダンスパフォーマンスとともに披露されました。この曲は、子どもから大人まで歌って踊れる曲を未来に残したいという願いから教区慶讃委員会が企画し、シンガーソングライターのモノノケユースケ氏と、ミュージシャンのオーノキヨフミ氏によって作詞作曲されました。
その後「正信偈」同朋唱和による勤行の後、引き続き「アイヌアートプロジェクト」代表を務める結城幸司氏による記念講演(講題「祈りという道 神話という川」)が行われました。150年前の現如上人による北海道「開教」の歴史を振り返った後、先住民族アイヌの人々との深い関わりや、アイヌ民族に対する差別問題について語られ、北海道に住む私たちにとって「知らなければならないこと」にあらためて向き合い、考えさせられる講演となりました。続いて、前教学研究所所長である楠信生氏による記念講演(講題「共存と立教開宗」)が行われました。楠氏は、「立教開宗」とは「仏の教えを時代や人間の資質に応じて最も適切な道を知らせてくれることであり、私たちにとってそれは親鸞聖人がなさったことであった」と述べられ、単に宗派を立てたということではなく、浄土真宗という名で、悩む人々を目覚めさせてくれることであると教えられました。
最後に石神忠信慶讃法要委員会副委員長が「本日のお待ち受け大会は、慶讃テーマを確かめる場であった、来年は本山でそのよろこびを皆でわかちあいたい」と挨拶し、大会が閉会しました。
(北海道教区通信員 矢田真之)