彫と打ち込みで立体にした金属に、鑢をかけてきさげと呼ばれる小刀様の道具で仕上げます。さらに朴炭で研いで細かい傷もとり、滑らかに磨き上げます。磨かれた金具は、そのままでは空気に触れて酸化してしまうため、仕上げには、鍍金(ときん・メッキ)、色付け(薬品等で煮る)、漆焼き付け、箔押し、くすべ等の表装を施します。

 金色にするには、漆を塗布したうえに金箔を押す方法と、水銀を仲介として化合させる方法があります。特に錺金具の修復には昔ながらの水銀箔焼付鍍金が行われます。

 これは、金具の表面に硝酸水銀液を塗り、その上に金箔を3枚または5枚を重ねて置きます。そして水銀と金と銅との合金状態を作ります。これを加熱し、水銀を気化させて金を焼き付けて、希硫酸に漬けたのちに、重曹を付けたブラシで研磨します。そうすると青みがかった金色に輝き出します。

協力:森本錺金具製作所(公式HPはこちら

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