柳宗悦は、1889(明治22)年に現在の東京都港区で生まれました。
学習院高等科在学中に、志賀直哉・武者小路実篤らと文芸雑誌『白樺』の創刊に参加します。
その後、陶芸家のバーナード・リーチより知りえたウィリアム・ブレイクの研究をきっかけに宗教と芸術の関係に関心を持つようになります。
そして、東京帝国大学哲学科へ進学し卒業すると、西洋芸術の紹介者として活躍しました。
当時の世界では、イギリスで18世紀後半に起こった産業革命が広がり、技術革新によりさまざまな産業が機械化されました。
街には工場が立ち並び、人びとが農村を出て都市で働くようになると、大量生産された織物や食器などがあふれ、それまでの丁寧な手仕事によるものが駆逐されていきました。
日本でも明治維新後、近代国家の建設により、西洋を模範とした都市化・工業化が進み、東洋的文化を一途に古くさいものとする風潮が生まれてきた時代でもありました。