2025年8月31日、岡崎教務所で「岡崎教区第3組新組発足式」が開催されました。当日は岡崎市内の最高気温が36.4℃ともなる酷暑でありましたが、新しい組の出発に約60名の僧侶・門徒が集まり門出を祝いました。教区改編の対象になっていない組の改編は初めての取り組みです。
16時から発足式に先立ち、当日は合併後初の組会・組門徒会の合同会が14時から、教務所長巡回も15時から行われました。
岡崎教区第3組新組発足式
発足式では、はじめに雪吹祖遵副組長(旧第3組組長)の調声のもと、声を合わせ正信偈同朋唱和でお勤めが行われました。組門徒会員のみなさまは、新しい組の発足とともに作られた肩衣を着用し、少し緊張した面持ちでしっかりと勤行本を持って声を出してお勤めされている姿が印象的でした。




その後、木越宗務総長からの祝詞が代読され、引き続き錦秀見岡崎教務所長の挨拶がありました。
「このたびは第3組の発足式ということで旧3組さま、30組さまの方が一堂に会されてこのような会を催していただきまして、また、来賓として私をはじめ教区門徒会、宗議会議員、参議会議員、坊守会の方々をご招待いただきまして誠にありがとうございます。長年、岡崎教区は37か組の体制が続いてまいりました。このたび、足かけ3年にわたってこのお話がやっと成就したということになります。同じ真宗大谷派宗門でありながら、組の違いによっては組を越えての交流がなかなかできないということがありますが、今回は、第3組さまの寺院数の減少、それから第30組さまがそのことを受けとめていただいて改編となったということであります。今回の改編によって新しく第3組さまが発足したことによって御寺院数も増えましたし、ご門徒の数も増えたことです。その新しい組において何をなしていくべきかということがこれから問われていくのだと思います。
私たちはこの世にいのちをいただいている以上、一にも二にも私たちが大事にするのは、私自身が聞法者として念仏の道を歩むかどうかだと思います。私自身が聞法者になるということは、私自身が身を運んで、お寺に身を運んで、お内仏の前に、それから別院の前に手を合わせる生活ができるかということ。それは、どこかに自分を立てていくということではなくて、私自身が頭の下がる存在としてこの世に立っていくということだと思います。それは、仲間外れを作るということではなくて、すべての人を仲間として見出していく。そういう歩みが私たち真宗門徒の歩みだと教えていただきました。
浄土真宗。浄土を真(まこと)の拠り所とするということは、そういうことです。誰一人もらさず。浄土へ共にまいりましょう。そういう願いを持って私たちは人と出遇っていけるのか。人と歩んでいけるのか。そういうことが私たちに求められていると思います。
新しく第3組が発足いたしました。このことは岡崎教区においては、非常に大きな第一歩だと私は信じております。この第3組において大きな交わりが生まれ、そこで互いに刺激をし合い、そして互いに教えられていく。そして、自分自身の歩みが始まる。そういうようなことがこの第3組に願われているのかなと思っております。これからも共々に仏法を聴聞してまいりたいと思うことでございます」と、聞法者として共に歩んでいきましょうとの力強いメッセージが伝えられ、大きな頷きをもって会場のみなさまは聞いておられました。
式次第
勤行 正信偈同朋唱和(調声人:雪吹祖遵副組長)
祝辞伝達 錦秀見教務所長挨拶
来賓紹介(宗議会議員、参議会議員、坊守会長、教区会議長[病欠]、教区門徒会長)
恩德讃斉唱
閉式

懇親会
発足式の後、会場を変更して懇親会が行われました。
加藤勝男岡崎教区門徒会長からは、「昨年7月に教区門徒会通常会があり、私たち教区門徒会は全会一致で賛同いたしました。教区会でも全会一致で賛同され、宗務総長のご承認をいただき今日にいたります。いま、宗門では宗務改革の取り組みをしており、その一つが教区及び組の改編でございます。教区の改編については、30教区が18教区に改編され、2028年度には17教区になる予定です。組は少しずつ合併が進んで390か組だそうです。今後も合併は進み減少していくでしょうし、岡崎教区でも組の改編を希望するところが出てくるかもしれません。その折には今回旧3組、旧30組の方々の経験されたことが新しい組の合併を目指す方々にとっての大変な参考になると思います。その時は、是非みなさまのお力を賜りたいと思っております」とのご挨拶がありました。

また、野々山真知子岡崎教区坊守会長からは、「第3組は岡崎ブロック、第30組は加茂ブロックとなっておりました。組改編になりまして、新第3組が発足されまして、加茂ブロックの第3組として坊守会活動にご協力いただきたいと思っております」とのご挨拶がありました。

中根慶泉第3組組長からは、「第3組のみなさま、第30組のみなさま、これまで、どういうふうに進んでいるのかなかなか見えない点もあったかと思います。そういうなかで役員の方、何度もお集まりいただいて会議の席でいろいろと調整いただいたこと、そのおかげでこの日を迎えられたと思っております。発足式での錦教務所長のご挨拶を叱咤激励と受けとめております。両組が歩んできた中で当然温度差があると思いますが、仏法を縁として合併させていただいたと私は受けとめています。お念仏を私たちは聞いていく。そして、また広めていくという活動をともにすすめていきたいと思っております。それぞれでご苦労、ご負担をおかけすることがあるかと思いますが、何かございましたら私で結構ですのでおっしゃっていただければと思っております。今日は新第3組としての第一歩ということであります」と乾杯の発声がありました。

懇親会では、各席で今後の取り組みを熱く語る場面や、初めて顔を合わす方々が自己紹介する場面、合併に向けて歩む中での出来事を振り返り語る場面もありました。
インタビュー
雪吹祖遵副組長(旧第3組組長)
教区改編委員会の副委員長もかつて担う中で、自分のお預かりするお寺のある第3組のことも10年近く考え続けてきました。当初、37か組ある岡崎教区を10か組にしてはどうかとの案もあったが、なかなか難しいということで、できるところから合併の議論をすすめていくことになりました。
組内寺院数が少ないことにより、組長・副組長・査察委員・同朋の会教導の役を常に担わなければならない状況にあり、なおかつ後期高齢者の住職が多数となると今では事務に欠かせないパソコンやインターネットが思うように使えないという状況にありました。
さまざまに組の合併に向けての議論があると思いますが、組全体の寺院数のこと、教化事業、組費、経常費の御依頼のこと等、これまでの組の歴史があるのですべての条件が整った後に合併しようと思うと、なかなか難しいのが現実だと思います。今回の合併は、細かなところに目を向けて立ち止まるというよりも、ご縁のある方々とことあるごとに話をする中で、教えを聞き伝えていくという上でこのままでいいのかと同じ方向を向くことができたことが大きかったのではないでしょうか。
事業やお金のことはまだまだ調整が必要なので、3年を目途にさまざまなことを取り組む中で確認していきたいです。それぞれの組がやってきた事業におじゃまして参加するというだけでは発展はないですし、何より面白くなっていかないので、やりながら生み出していきたいと思います。
岡田益男組門徒会長

以前は私の父がお寺のおとりもちをしていて、その後を継いでおとりもちをさせていただくようになりました。お寺のおとりもちというのは大変なことであると思っています。もちろんやっていくのが大変ということもあろうかと思いますが、大事なこと大きなことだと思っています。岡崎市は一大ぶどうの産地で、私はぶどう農家。いろんな種類のぶどうを作っていますが、今、ぶどうの最盛期。だから外にでると怒られてしまいますが、大事なことなので今日は参加しています。旧第3組と旧第30組が一緒になって、うまく活動していけるのかという不安はありますが、立ち止まっていても何も進みません。一緒にがんばっていきたいと思います。
岡田益男組門徒会長が営むぶどう農園のHP⇒https://www.yamasaen.net/index.htm
みなさんの声
・お互いに新しい刺激を受けながらやっていきたいです。
・細かいことを言い出して、これが分からないから決まらないからと言い出したら収集がつきません。一歩一歩動いていくことで、分かり合えることがあると思います。
・組の合併はまだまだ続いていくと思います。未来を見据えた時に動くしかないと思います。
・大きな会議は10回弱行ったと思いますが、それ以上に細かい打ち合わせは数えきれません。そのおかげで、たくさんの交流が生まれたし、組内の若手とも数多く思いを話すことができて、みんな先を見据えて行動しています。
・新第3組のメンバーではありませんが、遠慮なくいろいろな意見を出せるようになったら非常にいいと思います。私もそんな会を開いていきたいです。
・今後は若い世代がひっぱっていきたいです。

(企画調整局 永井道文)




























