大聖寺教区の特徴「お講」
大聖寺行事ポスター1
いつどこで誰の法話があるのか、ということがすっきりとまとまっている。カレンダーのようで見やすい

大聖寺教区は「お講」が教化の骨組みになっているという特徴がある。そのお講を紹介させていただくと、寺院や町内が主となって行われるお講も数多くあるが、それら以外にも定期的に行われているお講があり、それが組講(くみこう)示談講(じだんこう)知恩講(ちおんこう)である。

<組 講>
大聖寺教区を東・西・南・北・中の5つの(くみ)に分け、それぞれの組で毎月門徒宅・公民館・寺院を会所にして開催。
<示談講>
5つの組から集まって行う教区の「総講」。意見交換と情報共有の場として、質疑応答や対話を大切にし、語り合いの場として開催。会所は教務所。
<知恩講>
住職・僧侶の教学研鑽の場として、毎月寺院を会所にして開催。

これらのお講の呼びかけ・告知はそれぞれのお講の会所となる町の世話方や組の世話方、または寺院に任せていた。チラシを作って配るところや町内放送で呼びかけるところもある一方で、それらができず、あまり告知されないところもあった。
また、教区からは『大聖』(教区広報・年2回発行)によって告知されていたが、掲載が不定期であり、日時と会場のみの記載であったのため活用しやすいものではなかった。
そのような状況から、どのお講にも呼びかけがしやすいものが作れないかということで、法事や月参りの際に配布しやすく、大きな字で目立つもの、といった意見をもとに試行錯誤を重ね、A3のポスターの形での日程案内ポスターの作成に至った。初めは両面で年間の日程を掲載したものを作ったが、下半期の日程・講師の変更などが多くあったので、半年ごとに発行することになった。また、以前のものは日時・会場の記載であったが、所属組のお講だけでなく、他組のお講にも参りやすいように今回は講師も記載した。

寺院報恩講のポスター
大聖寺ポスター2
教区内寺院の報恩講日程のポスター。デザインも明るくカレンダーのように使ってもらえる雰囲気院報恩講のポスター

各町内で行われるお講の講師は手次のお寺の住職だけでなく、遠近関係なく縁のある寺院の者が務めることもあり、それによって、門徒はお講のご縁によりお手次のお寺以外の報恩講に参拝することもある。しかし、教区内各寺院報恩講の日程は毎年固定であるにも関わらず、手次のお寺以外の報恩講の日程を知る門徒は少ない。

そのことから、手次寺以外の寺院報恩講にもお参りしやすいよう、教区内寺院報恩講の日程のポスターも製作することになった。通常、寺院報恩講の呼びかけは各寺院が行うが、このポスターによって全寺院の告知も可能となった。
手にした人からは「今日はどこで報恩講が勤まっているのかひと目でわかっていい」、寺院からも「お参り合いの日程を確認しやすい」などの意見をいただいている。
また、どちらのポスターも「A3サイズなので壁にも貼りやすい」、「鞄に入れて持ち運ぶこともできる」など、好評な意見をいただいている。

日程周知で参拝者が増えるように
大聖寺日程ポスター3
活用してもらえるための工夫。ぜひ、他の教区・組・お講でも試してほしい

第7回教勢調査の結果、報恩講をはじめとする法要・行事への参拝者数の減少が浮き彫りとなり、一方同朋の会などを行っているところは参拝者数の減少をくい止め、増加をもらたしていることも明らかになった。
大聖寺教区ではお講が盛んに行われてきたが、法要・行事への参拝者数は減少していた。そこにどのような課題・問題があるのか精査してみると、お講は本来寄り合い談合の場であったのに、現在は僧侶の法話が中心となり、ほとんど語り合いがされていないことが明らかになった。
しかし、お講が本来の語り合いの場を回復すれば、そこに同朋の会の性格と機能を持つといえるのではないだろうか。その上で座談会実践運動をはじめとし、お講活性化運動、報恩講参拝運動、葬儀中陰法話運動、同朋新聞配布運動の5つの運動を展開し、僧侶と門徒が語り合い、つながりを回復することを期待している。

今回、統合した告知ツールとして日程ポスターの作成したことにより、お講によって呼びかけ・告知の方法も違っていたことや、寺院・門徒一体となって法要を呼びかけることの大切さを再認識した。
大聖寺教区ではお講によって念仏が相続されてきたが、近年ではそれも難しくなってきている。参拝者の人数だけの問題ではないが、お参りを知ってもらうきっかけとなればと期待している。

(大聖寺教区通信員 但馬 諒 )

▼大聖寺教区のお講特集
「~地域に根差したコミュニティ~お講-大聖寺編-」(東本願寺HP「写真日記 2105.4.24更新」)
「大聖寺教区 お講 動画」(浄土真宗ドットインフォ「大聖寺教区レポート」)