太平洋の大海原に向けて開かれた新宮・熊野の地を舞台に、平和や自由を渇望し、信念のもとに生きた自在人の願いと挫折を描いた群像劇、『太平洋食堂』が、大阪・難波別院御堂会館大ホールで上演されました。
10日(金)に昼夜の2公演、11日(土)昼の1公演のあわせて3回の公演が行われる中、10日の公演では多くの観客が迫力ある演技に真剣に見入られる姿がみられました。
10日昼の部の終演後にはアフタートークが行われ、桜美林大学教授の早野透さんからは大逆事件を研究する傍ら、史実を基に丁寧に作り上げられた脚本に感嘆されるコメントが寄せられ、同じく登壇された劇作家・原作者の嶽本あゆ美さんは、この演劇には構想から6、7年の時間を要したことや、演劇最後の場面の高木顕明(劇中では高萩懸命)の『頼むぞ~』の言葉に込められた非戦・平和への願いが語られました。
また、会場ロビーには大逆事件に関するパネル展示や新宮・熊野の地を紹介するパネル展が行われ、その他演劇に関する書籍・台本などが販売されました。