ウガンダ在住のフリーの報道カメラマン大瀬二郎氏が捉える、世界の紛争によって家を奪われ難民になった人びとの姿。
<開催趣旨>
過去5年間だけで15の紛争が勃発し、暴力や地球温暖化による食料危機によって家を追われた人の数は2014年時で過去最多の5950万人にのぼる。このような難民の人びとが直面している厳しい現実を前に言葉を失いつつも、カメラのレンズを通してその現実を伝えることによって、わずかでも彼らの生活環境の改善に貢献できればと、大瀬氏はシャッターを押し続ける。
「この実情は、私たちにとって理解し難い遠い国での出来事に過ぎないのだろうか? グロ‐バリゼーションが急速に進み既に定着し始めた今、紛争地から掘り出される希少金属や宝石、石油や熱帯堅木などが、携帯電話やファッションアクセサリー、家具や車や火力発電などに使われ、工業国の消費社会の日常生活に入り組み溶け込んでいる。必ずといっていいほど日本の車や工業製品に使われている鉱物、それは紛争地で掘り出されたものかもしれない。私達の平穏な社会に関係がないと知らぬふりをしていても、自らが直接関わっていると否定できない事実」と大瀬氏は語る。
「自己がわからない人は他人を責める。自己がわかった人は他人を痛む(安田理深)」。
難民の人びとがどのように生きているのかを知ることによって、はじめて私たち自身の生活につないでいくことができる、そのことを考えるきっかけとなる展示となることを願い開催します。
<ワークショップ>
1月13日(水)14時頃、大瀬二郎さんに来館いただき、写真展の解説をしていただきます。是非ご来館ください。
<講演会 報道写真家 大瀬二郎氏 講演会>
しんらん交流館の西にある京都教務所では、大瀬二郎さんの講演会が行われます。
日 時 1月14日(木) 18時~20時
場 所 真宗大谷派 京都教務所2階大講堂
(しんらん交流館前の花屋町通から東へ)
電 話 075-351-5260
<大瀬二郎プロフィール>
1968年、大阪府生まれ。アメリカの新聞社でフォトグラファーとして勤務後、2005年にフリーに。第二次世界大戦以上の死者を出し続けるコンゴ内戦、イラク戦争などを取材。2009年、コンゴでの取材をまとめた「アフリカ大戦の亡霊」で第1回田原総一郎ノンフィクション活字部門佳作受賞。現在はウガンダ在住。
大瀬二郎さんHP http://www.jiroose.com
※ワークショップ、写真展ともに無料です!是非、ご来館ください。