大阪教区教化委員会 研修・講座部所管の「同朋の会推進実行委員会」では、
2014度より、教区内1ヶ寺1ヶ寺における同朋の会が盛り上がってくださることを願い、
「同朋の会推進サポート」事業を展開しております。

主な事業内容としては、
「われこそは」と手を挙げてくださったお寺にスタッフがおもむき、
その地域の事情に合わせた同朋の会の盛り上げプランを提案したり、
チラシ作成のお手伝いを行う、というものです。

現在、主に提案しているのは「講師を呼ばなくても実施可能な同朋の会」です。

実施方法はきわめて簡単です。
宗派機関紙や教区内で配布されている教化センター通信、
または南御堂新聞の12面に掲載されている「問いと答え」を使用するだけです。

具体的な進行方法として、

      1 「問いと答え」を両面に印刷し、配布する
      2 あらかじめ裏面は勝手に読まないことを注意しておく
      3 「問い」を読み上げて座談を開始する
      4 時間が来て座談が終われば、皆で一緒に「答え」を読む

たったこれだけなのです。なぜこれだけで盛り上がるのでしょうか。

実は少しだけ「ルール」があります。
それは普通の座談会と異なるユニークな点として「司会者と参加者双方に一定の縛り」を設けているのです。
これが盛り上がる秘訣かと思います。
【まず、司会者ですが…】

      1 座談の進行はしてはいけません・誰かを当てて喋らせるなどもってのほか
      2 参加者の問いに安易に答えてはいけません・即答即決はケガのもと
      3 話題が脱線したら戻さずすすんで脱線してください…お題はそっちのけでもいいのです

【次に、参加者は…】

      1 今日は思いっきり喋ってください・話さないのは損ですよ
      2 司会者に質問をしてもそうそう答えてくれません・今日はそういうルールなので
      3 参加者の意見はよく聞きましょう・意見が違っても否定はしないように
      4 最後にスマホ・携帯は禁止します。着信音を鳴らした人はあとで感話をしてもらいますからね(笑)

という縛りです。

たったそれだけのことですが、座談会は毎回どこでも非常に盛り上がります。
実はほんのわずかな工夫で座談会は盛り上がるものなのだなと感じました。

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この現象を簡単にふりかえりますと…

司会者があえて「まとめず」「答えず」「参加者の脱線にも積極的に付き合う」ことは、
参加者の問いを深めるのみならず、司会者との関係を良好にします。

そして「お寺で喋ったなぁ」「お寺は話を聞いてくれる場所なんだな」と、
楽しい印象を持ち帰っていただくことになります。

またあらかじめ印刷された答えを後で読む事により、
答えそのものがその場の特別なものではなく、ある意味「模範的な」考え方なのかな、
ということも暗にご理解いただけます。
座談中にどれほどズレた答えを仰っても、その場で訂正されませんから本人のプライドも保護されます。
その答えに違和感があったとしても、講師が目の前にいるわけではないので、正直に告白いただいてもOKです(ゆえにその場に合わせて作成したような問いと答えではなく、編集者の目を通したようなものをご用意いただく事が肝要でしょう)。

さらに両面コピーにも大切な意味があります。
その問いと答えをセットにして「おみやげ」にしていただきたいのです。
参加者自宅の机の上に置かれたりしていたら、誰かがまた見てくださるかもしれませんから。

一度、おためしください。

 

最後に「実際に同朋の会推進サポートを受けてくださった」ご寺院の映像をご紹介します。
当初8名程度だった座談会が、20名に増えました。
さらに「これまで一度もお寺に足をはこんでくださらなかった方も来てくださるようになった」とのことです。

回を重ねるごとに、参加者からも「お題はこうしたい」「班別座談は寂しいから一緒の部屋でやりたい」と希望が寄せられるようになりました。
ぜひご覧下さい。

同朋の会推進サポート報告