【御下向5日目出発】
【御下向の難所「木の芽峠」】
御下向の行程のなかで、最も難所と言われている「木ノ芽峠」。そしてお立ち寄りのほとんどが、ご門徒宅。これが、5日目の大きな特徴です。
この難所を越えていくことからはじまりますが、「一つ間違ったら谷底へ落ちるので、怪我がないように」
そして「心にのこる峠越えを」と、宰領(御影道中を取り仕切る責任者)から、出発前にあらためて挨拶が行われて、峠越えがはじまりました。
峠越えは単に難所を越えるということではありません。全員が代わるがわる蓮如上人の御影が収められた御櫃を背負っていくのです。まず最初は、随行の教導さんから背負い、そのおと、昨晩からお世話になっている地域の方々、そしてわたしたちという順で背負って歩いていきます。
舗装していない山道で、宰領さんが仰るように、道のすぐそばには谷底があり、ところどころ水が流れてぬかるんでいます。今日は晴天だったのでよかったのですが、雨が降ったことを想像すると、恐ろしくなってきます。
峠を登り切ったところに、いつも御影道中の一行に休憩所を提供してくださる前川さん宅に到着し、おもてなしをいただいたあと、同じように御輿をかわるがわる担ぎながら峠を降りていきます。
峠を降りたあと、ふたつの一般のお宅、そして浄念寺様に立ち寄り、あわせて休息をとらせていただきます。
【お立ち寄り会所である喜び】
その後、5つのご門徒宅、そして最後の宿泊会所である超恩寺様に到着しました。
このころには、みんな雨で濡れていましたが、外へお風呂に入りにいき、食事をいただき、翌日の準備と休息いたします。
今日はご門徒さんのお宅に立ち寄らせていただく機会が多かったのですが、そのほとんどは、どうしてお立ち寄りの会所になったのか不明でした。にもかかわらず、みなさん、お立ち寄りの会所であることを喜び、家族全員、地域皆さんで丁寧にお迎えしご接待される姿がありました。会所の理由をお尋ねすると、「そう言われれば、わからないですね~」と、ほとんどの方がそう答えます。この方たちにとっては、由緒がどうであれ、今、蓮如上人、そして仏法のご縁をいただいていること以上に、大切なことは一切ないのだと、感じました。
■意力寺(福井県敦賀市)
■浄念寺(福井県南条郡) 昼食会所
■超恩寺(福井県越前市) 宿泊所
■淨秀寺(福井県越前市) 宿泊所
※奇数年は淨秀寺が、遇数年は超恩寺が宿泊所の会所寺院