福井県越前市の超恩寺では推進員が中心となって企画した「お寺 de cafe」を6月18日(土)に開催しました。
この企画は、超恩寺で年に3回発行している寺報『ともしび』の編集委員である推進員の山崎幸夫さんが、「一度お寺でレコードを聴く場を開いてみたい」との提案からはじまりました。
当日の本堂には大きなスピーカーやアンプ類が並びました。聞くところによると創業者が同市出身で製造工場もある㈱オーディオテクニカからお借りしたものだとか。さすがの高性能機器で本堂には美しい音色が響き渡ります。
レコードを鑑賞
2部構成で、1部は山崎さんがセレクトしたクラッシックの名曲集。テーマは「音楽と情景」。「それぞれの曲が持っている物語の情景を思い浮かべながら聞いてください」と山崎さんが配付したお手製の曲の解説文を手に曲毎に説明します。休憩をはさんで2部は参加者が持ち込んだレコードの鑑賞会。ビートルズやデイブブルーベックカルテット、コニーフランシスなど、ジャズやポップスの懐かしい曲が披露されました。
「僕たち団塊の世代は、若いころからレコードを愛聴し、オーディオに憧れたものです。今も自宅で聞いている人もいるでしょうが、大音量で聴くことはなかなかできません。今回テクニカさんの協力を得て美しい音をみんなで聴かせていただくことができてうれしい」と山崎さん。
同社に勤務されている推進員の伊藤一行さんを通じて、社会貢献として機材の貸出(1カ所につき1度のみ)を行っていることを知り、実現しました。当日は同社の市橋政信さんが同行し、セッティングと音の調整をしました。「レコードの録音状況やジャンル、あるいは会場が木造、鉄筋によっても、また天気によっても音の聞こえ方は全然違ってきますよ」と楽しく解説もしてくださいました。
相席で話が弾むカフェらしい雰囲気に
午後1時から4時まで行われたこの会には、年配の方を中心に親子連れも訪れ、美しい音色に耳を澄ませました。本堂には座机のテーブルを9つ、それぞれに本堂用の椅子を4脚ずつ計36脚ありましたが、ほぼ満席状態。飲み物はコーヒー、アイスコーヒー、冷茶、オレンジジュース。チョコレートなどちょっとしたお菓子も。参加者へのお給仕も推進員さんが担当します。相席となった方々同士で話が弾む場面もあって徐々にカフェらしい雰囲気に。「お寺でこんなことをするのも面白いですね。またぜひ来たいです」と思い思いに楽しんでいました。年に2回くらいはできたらと鈴木現秀住職。「チラシを寺院周辺の家庭に配付しました。ご門徒だけでなく、地域の方々に来ていただけたようです」とのこと。今回はアンケートも行ったので、今後の展開に活かすことができそうです。
住職を囲んで反省会
「今度はテクニカさんから借りることができないから機材をどうするかが課題だなあ」。カフェ終了後、早速住職を囲んで反省会。「お寺 de cafe」もそうですが、お寺の事業に10名の推進員の方々が主体的に関わっていることが注目されます。寺報も推進員が主となって年に3回発行しており、定期的に編集会議がもたれているようです。この「お寺 de cafe」の模様は早速7月に発行される寺報に掲載される予定です。
なお、同朋の会も月に1度行われており、現在は東本願寺出版発行の『嘆仏偈』をテキストにしているとか。鈴木住職から「今後も様々な人がお念仏の教えに出会っていただきたい。そのきっかけとなれば」とのことでした。