「蓮如上人御影吉崎別院御下向式」
毎年4月17日、真宗本廟・阿弥陀堂では、「蓮如上人御影吉崎別院御下向式」が執り行われます。第344回目の今年は、春の雨降るしっとりとした風情での御下向式となりました。
蓮如上人と共に歩む道中
御影お腰延ばしの儀、勤行、御影お巻納めの儀の後、御影は御輿に納められ「蓮如上人、吉崎へ御出立-」のかけ声と共に、蓮如上人御影道中の一行は、福井県吉崎別院へ向けて真宗本廟を出発します。
阿弥陀堂内には、蓮如上人の御影がお腰延ばしの儀によって安置され、その御前で一同お勤めします。
但馬弘宗務総長は、「教化に尽力された蓮如上人の御遺徳は、平座にて語り、お念仏の教えをいただくことを喜び合う場を残されたことにあると受け止めています。そのことをあらためて感じ、北陸の地に思いを馳せることのできるものが御影道中でしょう」と話し、一行が無事吉崎に到着されるよう御出立に向け挨拶されました。
その挨拶を受け、一行と道中を共にする随行教導である佐竹圓修氏(小松教区第2組光玄寺住職)は、昨年「蓮如上人を吉崎に連れてまいります!」と出立したけれどもケガを負い、人々の力を借りながら歩むなかで、蓮如上人のお力によって自分のほうこそ吉崎に連れていってもらったのでだということに気づかれたそうです。そして、「我が力にては往くべからず 我がはからいにては往くべからず」という自力を越えた世界を、一歩一歩踏みしめることで確かに体で感じることができる歩みに、今年も随行できる喜びを力強く語られました。
その後、御影はお巻き納め儀により御輿に納められ、随行教導には「道中日誌」が、宰領に御輿の「鍵」が渡されます。御輿は阿弥陀堂を後にし、御影堂の前で合掌し、阿弥陀堂門よりいよいよ出発です。
あたたかい春の雨が降り注ぐ中、真宗本廟の新入職員も参加し、吉崎への蓮如上人と道中を共にする一行の旅が始まりました。
浄土真宗ドットインフォでは、今年も御影道中をご紹介。ルートマップや御影道中を支える人々、そして実際に参加してみるとき(しかも個人で自由参加した場合)のお立ち寄りポイントなども紹介していく予定です。毎年一歩一歩重ねることで受け継がれる御影道中。今年、そして来年こそ!とお考えの方、乞うご期待です!