蓮如上人、吉崎にご到着!
4月23日、御影道中一向は福井別院を出発し、長い御下向の道のりも最終日となりました。夜にはいよいよ吉崎別院へお着きになられます。
吉崎別院では、本堂の荘厳、境内の整備、御忌法要にお遇いしようというたくさんの参拝者の皆さんをお迎えする準備が整えられながら、御影道中の一向を待たれていました。
本願寺の新入職員も、昨年に引き続いて御忌法要に参拝。22日から別院での各準備のお手伝いをさせていただきました。
18時30分を過ぎたころから、参道の大階段や本堂の前に、お着きを待つ人が集まり始めます。
御影が吉崎の地までお越しになると、別院境内にある大太鼓がドン!と鳴り、間もなく別院へお着きになられるとの知らせがあります。
御影が別院に近づくにつれ、境内では大太鼓、本堂内では喚鐘が交互に響き、大階段でお着きを待つ人々が持たれた提灯に火が灯されていきます。
この提灯の火は、腰ぐらいの高さに持つことで、別院へお帰りになる蓮如上人の足元を照らしているのだそうです。
熱気あふれるご到着!
19時30分を過ぎたころ、山門前に御影が到着。階段を上がるための御輿へ御影をお移しし、地元の消防団の肩に担がれ、一気に石段を駆け上がっていきます。
御影を吉崎別院までお連れした教導・宰領・供奉人をはじめとする一向も、御輿とともに階段を上がっていき、まわりの参拝者からは「お疲れさまでした」「おかえりなさい」との声がかけられ、境内は熱気と感動に包まれました。
御輿は満堂の本堂へ入堂し、輪番と列座による「お腰延ばしの儀」が執り行われ、無事、吉崎別院の内陣へと掛けられました。
初夜勤行の後、御下向の随行教導を務められた佐竹圓修氏からは「長い道中、お立ち寄り会所での心からのおもてなしに支えていただいた。各家々、寺院において、経済状況の厳しいなか、蓮如上人の御影と、道中歩く皆々を精一杯お迎えしてくださった。そして、会所や沿道でお一人お一人からいただくご懇志を重く受けとめ、御影道中という御仏事へのお気持ちを直接いただくということを通じて、一人の僧侶としての姿勢が問われた。ご門徒お一人お一人と対面し、浄財をいただくということに僧侶はいつも立ち返っていかねばならない」とのお話しがあり、五辻信行輪番からは、この吉崎の地で蓮如上人が成し遂げられた「真宗再興」ということが、今日の真宗教団の礎であると語られ、御影が無事にお着きになられたことの御礼の挨拶がありました。
翌日、地元の方や、全国各地からの団体参拝者で満堂となる中、10時より蓮如上人御忌法要の日中法要が、力強い同朋唱和にて勤まりました。
この日布教使であった林拡氏(小松教区)は、蓮如上人の吉崎の地における布教と、現代の私たちにまで伝えてくださったそのお仕事について、丁寧に語られました。
御忌法要は5月2日まで毎日勤まり、同2日から7日間、京都真宗本廟へ向けご上洛の道中が歩まれます。