国の法律で「過疎」「みなし過疎」「一部過疎」と認定された地域に講師を派遣し、「真宗の教え」に親しんでいただく「お寺にお役立ち講師派遣」。
このたびは、京都教区出雲組にお伺いして、2017年7月に組会行った「お寺でお役立ち講師派遣」の説明と、1月30日に行った出雲組運営委員会(寺族と門徒で構成されています)で出た寺院の現状と今後についての協議を踏まえ、事業の協議いたしました。今回は、1/30、3/6でのご意見の一部を掲載させていただきます。
【2018年1月30日 出雲組運営委員会~お寺の今後についてざっくばらんに~】
組長 禿正文さんの司会で、とにかくお寺のおかれている現状についてざっくばらんに話をして欲しいと始まりました。
【地域社会・全般】
・家庭での相続(仏事にしても、生活にしても)が難しくなってきた。葬儀は身内だけ。寺が抱える悩みも様々。社会全体の意識が変わってきている。1人1人の門徒の意識が大きなうねりとなってその中で私たちお寺のものも流されている。お寺も家族葬をあたりまえと考えるようになってきている。
・同朋大会の人数もちょっと減ってきている。そこに行きたくなるような、同朋大会に行く前の段階のこじんまりした会でいいから各地で開いてみたらどうか。
・同朋大会で次も行きたい次も聞きたいと、みんながお寺に親しんでくれるような内容をテーマに話を聞きたい。
・組が広域で、隠岐もある。みんまで集まるっていっても大変なこと。だからブロックに分けてるんだ。
【お寺に関すること】
・寺院の後継の問題がある。これからどこの寺院でも問題になる。
・お寺の維持管理が心配。
・お寺さんにも生活がある。生活のことを考えないで寺を続けてくれとは言えない。
・昔は日曜学校があってしょっちゅう行った!!花まつりも楽しかった!!今はやってるとことろがあまりない。
・昔は葬儀にはたくさんのお寺さんが出仕した。そういうもんだった。お西の葬儀にはお西のフシで、東にはお東のフシでもちつもたれつ、つながりをもってやってきた。
・先代はお寺を専業でしてきたが、私は兼業。どこかに勤めて年金もあてにして生活しないと正直キツイ!!
・こじんまりとした集まりをすることによって、つながりができていく。過疎になればこの寺あの寺言ってられなくなる。
・他の宗派の話だが、後継者の問題は深刻でる。寺以外で勤めている。僧侶の資格もない。寺に住む者の生活を檀家が見られない。合併の時代が来る。やがて1カ寺1カ寺で解決できない問題が出てくる。
・ご命日の法要で1人2人だった。でも、住職継職で声を掛けたら稚児が80人集まった。今では青年部のつどいで30人(30-50代)が言わんでも来てくれる流れができた。我が身が翻るインパクトがないと、なかなか集まってくれないと思う。ともに聞いていくことに目覚めたら意外と来てくださる。結果はどうあれ働きかけが大事です!!
・住職の人柄って大事だと思う。
【ご門徒に関すること】
・住んでいる人はみんな年金暮らし、他の人の世話までできる状況じゃないと思う。今はできるけど、お寺さんの世話までできないとなるのでないか。生活が大変だと町へ出ていってしまう。
・門徒が減っていっている。住む人が減っているから子どももいなくなっていく。
・病院から葬儀という流れ、人間関係が薄れ、長男が家を出たら、後、誰がいろんなことをしていくのという状態。
・10年後は不安。門徒会員もなかなか出ない。代表もなかなか決まらない。組門徒会員もなりたくない人ばかり(出てくれる人が限られている)。
・推進員連絡協議会に加入する人が減ってきていて、残念。しかし、入っている方も〝これ”をやりたいから入っているってわけではないようだ。
・葬儀・法事以外に教えに親しむきっかけができないかと思う。
・本当に尊いものに問われていく。先人たちはそこに足を運んだのではないか。
・推進員がなかなか同朋の会に関われてない。講座をやってもなかなか出てこない。いったいどうしたらいいものか。
・本山に行きたいし、帰敬式も受式してもらいたい、でもお金がない!!
【これからへの動き】
・宗派が云々言ってられないのではないか。既に、宗派を超えた動きをしているところもある。(石見のほう)
・本山が〝浄土真宗″をもっとアピールできてない、して欲しい!!。初詣で〇〇の参拝者・賽銭が多いとテレビで言っているが、本当はそうじゃないと思う!!「あなたにとって本当に尊いものはなにか」「真宗はこうだ」というものを世に出してほしい。(アイデア、姿勢)
・ご利益、欲望をかなえるための手段の宗教が流行っている。これまでの本山が積極的にアピールしてこなかった蓄積で今がある。
仕事を求めて街へ。それに伴い若者と子どもが減っていく。お年寄りも亡くなっていく。しかし、一人を大事に丁寧に声をかけて、〝大事なことだ”と思ってもらえばちゃんとお寺に来てくれるんだという言葉もいただきました。
【2018年3月6日 出雲祖運営委員会~教えを伝える場と教えの相続のために、具体的な事業を考えてみる~】
組長 禿正文さんから、前回は思うことをざっくばらんに話していただいたので、具体的な事業となるように進めましょうとの司会で始まりました。
【事業につながるお話し】
・同朋大会につながる小さい規模の聞法会、やっぱりこれをやりたい。やっていかないと、同朋大会に来る人数もますます減っていくと思う。(250人⇒150人に減少したそうです)
・昔より、お寺も門徒も集まる機会が減ってきている。3・4ヵ寺で集まって何かできるといいなと思う。
・同朋の会の規模が縮小していっている。組内の1/3が同朋の会を行っていると思う、開催頻度はマチマチだと思うけど。同朋の会のメンバーの固定化(5~10人)ということもある。みんなでやる会のはずが、〇〇任せ、△任せになっている。他のお寺の同朋の会との交流や、行い方の指導もいると思う。
・同朋の会の講師を住職でぐるぐる回すとよい。
・分かりやすい話をするために住職の指導をした方がいい。【同朋の会の行い方講師】
・広報って大事だと思う。だから、門徒外にも法要の案内をしている。昔は報恩講がどこのお寺で何日にあるかチラシを配っていた。1ヵ寺で報恩講は参拝者の人数がなかなか集まらない。
・毎年1回、組門徒会で1日の日程で2ヵ寺訪問している。隠岐のお寺から交流会したいと、20名ぐらい来られた。石川県のお寺との交流をしたこともあるが、新しい発見がある。交流によって、自分たちが見えてくる。
・総代が法座に来ない。住職と総代が総代の役割についてともに聞く機会をつくりたい。住職とは、総代とは。今後のお寺に大事だと思う。
・総代の法座の出勤簿を付けている。総代に司会などの役割を持ってもらうようにしている。(法座に座らない門徒を総代にしたらいかんとの意見も)
・総代の上山奉仕をやりたい。
・地域の報恩講を行いたい。公民館で行おうと考えている。家は狭く寺は遠いことの対応、お寺から出向いていくことも必要。
・子ども報恩講をやりたい。(もし、やることになったら、うちのお寺の子ども会から大勢で行きたいとの声)
・仏教会でいろいろやっていたが、地域のバックアップがなければ長続きしない。座禅教室は社会福祉協議会のバックアップで長続きしている。地域とつながる視点!!
【お寺とつながる、つなげるお話し、子どもの今】
・5歳のとき、お寺に行って母の膝の上に座った体験が、歩みにつながった。
・話しづらくなるのは、自分が遠慮しているからだ。自分から開いていけば、相手も開いてくれる。
・4世代でお参りが昔はあった。
・子どもは忙しい、塾で来れない。親も必要か、必要じゃないか、メリットで物事を選んでいる。
お話をお聞きする中で、「つなげていく」、「ともに行う」、「ともに学ぶ」、「他者をみて自分を発見する」、「地域に求められる」そんなことが、これからの取り組みを考えていくうえでのキーワードのような気がしました。今後、〝事業″を具体的に行うために検討していきます。
過疎・過密地域寺院支援担当は、現場に足を運び、声をお聞きしていきます。
(文責:寺院活性化支援室)
※京都教区出雲組には33ヵ寺があります。松江市、出雲市、雲南市、奥出雲町、隠岐の島町、海士町、離島もあり広域です。