2018年4月2日にお勤めする全戦没者追弔法会。法要後の記念講演の講師にお招きしました梶原敬一さんをご紹介します。
梶原さんからは、講演に向けてのメッセージを頂戴しています。また、今年から法要の「開催趣旨文」と「表白」を筆書きでお伝えすることとなり、それにあわせ、梶原さんからのメッセージも筆書きにて紹介させていただきます。ぜひ、ご覧ください。
梶原敬一さん
2018年「全戦没者追弔法会」記念講演の講師、梶原敬一さん
◆プロフィール

梶原 敬一 (かじわら けいいち)
1955年愛媛県生まれ。京都大学医学部卒業。現在、姫路医療センター小児科医長。真宗大谷派僧侶。著書に『生きる力』(東本願寺出版)、『愛と悲しみと』(方丈堂出版)、『国土の名字仏事をなす-東日本大震災が突き付けたもの』(真宗大谷派名古屋別院)他多数。

◆2018年記念講演の講題

「無義をもって義とす」

◆記念講演に向けてのメッセージ

(全文テキスト)
(とぶら)うとは、亡き人を悲しみ、傷むということだけではありません。先に逝った(ひと)たちを(とぶら)ひ、問い尋ねることでもあります。
追弔法会とは、まさに、この亡き人たちと出会い直し、その声を聞き、願いを確かめることであります。
死はもとより一人ひとりの死であります。様々な人生を送り、様々な人の関係の中で作り上げた人生の形そのものであります。
しかしながら、死は同時に、個人の思いを超えた、その人たちが生きた時代と社会によって形づくられたものでもあります。
戦没者とは、戦争の時代に、国家の名の下で死んでいった人たちの生の形なのです。
戦没者を全戦没者として弔うことは、一人ひとりの思いを超えて、戦争の時代を問い、国のあり方を問うことによって、そこに生きた一人ひとりの生の意味を問い直すことであります。
その時、死者たちの声は、人類の願いとなって響いてくるに違いありません。
その響きこそ、如来の本願ではないかと、思っています。

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(文責:全戦プロジェクト記念講演・シンポジウム班)