「死」を意識することによって見えてくる「生」に注目し、いかに生きるかを考えるのが「死生学」です。
生老病死の問いを様々な現場で考え、表現している方を講師に迎え、「老病死」を抱える身として生まれた私たちの存在とはどういうものなのか、そのことをともに考える「しんらん交流館公開講演会」。
このたびは、藤井美和さん(関西学院大学教授・死生学者)をお迎えします。「
現代は、「ホンモノの死」(人間が亡くなっていく姿、過程)を目にすることはほとんどありません。
しかし、映像やゲームなどのバーチャルリアリティの世界には「ニセモノの死」があふれています。
他人事であった「死」を身近な人の問題、あるいは、自分の問題として捉えることで、いのちの在り方、死を含めた生き方について、積極的に向き合うことができるのと藤井美和さんはおっしゃいます。
「いのち」をどう捉えるのか。推計によると、2038年には年間死亡数170万人になり少子社会であり多死社会になっていくと言われています。
ご自身の身に起こった神経難病による全身麻痺、半年の入院、そして2年半のリハビリの経験から学ばれた死生学領域。
私たちは必ず死ぬ身を生きています。
このたびの講演では、「死」から「いのち」について一緒に考えたいと思います。
●開催日時 2018年11月21日(水)18:00~19:30
●講 師 藤井 美和さん【関西学院大学教授・死生学者】
●講 題 「いのち」に寄り添う―死生学の視点から
●聴 講 料 500円
※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク 1杯無料券付です。講演の始まる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から12月末日まで有効です)
●そ の 他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。
【プロフィール】
藤井美和さん(関西学院大学 人間福祉学部 教授)
新聞社勤務中、神経難病を発症し3日間で全身麻痺に。半年の入院、2年半のリハビリを経験。この経験が死生学領域に関心を持つきっかけとなる。
1994年関西学院大学 大学院 社会学研究科修了後、フルブライト留学生としてアメリカ、セントルイスのワシントン大学(Washington University)大学院 博士課程に入学。1999年Ph.D.(博士号)取得。
専門は、死生学、デス・エデュケーション
これまで世界保健機関(WHO)スピリチュアリティ尺度開発、兵庫県「命の大切さを実感させる教育プログラム」構想等に携わる。現在、大阪市精神保健福祉審議会自殺防止対策部会委員。大阪自殺防止センター理事など。
【著書】
「死生学とQOL」単著(関西学院大学出版会)、「増補改訂版たましいのケア‐ 病む人のかたわらに」(共著)いのちのことば社、「生命倫理における宗教とスピリチュアリティ」(共編著)晃洋書房 など。
【メッセージ】
私たちは日々の生活の中で、どれほど「いのち」について考えているのでしょうか?「いのち」を捉える視点に向き合うことから、人の「苦しみ」と「寄り添い」について考えてみたいと思います。
公益財団法人 京都新聞社会福祉事業団2010/10/12