【開教寺院の日曜礼拝とは】
アメリカには現在、ハワイ開教区に5ケ寺、北米開教区に4ケ寺の大谷派の開教寺院があります。
日本の仏教教団によるアメリカ開教が始まったのはおよそ120年前。移民一世の方々はキリスト教文化の習慣を取り入れて毎週日曜日にお寺に集まり仏法を聴くとともに移民の生活に必要な情報交換、相談、助け合いをしました。次第に開教寺院は日系人コミュニティーの中心的な機能を果たすようになりました。そして現在も各開教寺院では、毎週日曜日に礼拝が続けられています。日曜礼拝では、正信偈同朋奉讃に引き続き駐在開教使が法話をしています。
普段の日曜礼拝の様子(バークレー東本願寺)
【コロナ禍による変化】
アメリカでは、3月以降、州、郡、市により宗教施設における集会が規制されたため、日曜礼拝はオンライン配信に切り替わりました。中には日本からご参詣(視聴)くださっている方もおられます。
多くのご門徒にとって日曜礼拝は仏法聴聞の場であるとともに、大事な社交の場でもありました。そこで、社交の時間も設けてスクリーン越しにお互いの近況を伝えあったり、日曜礼拝以外でも、オンラインのお盆踊りイベントを開催して思い出の写真やインタビューを映したりそれぞれのスクリーンの前で踊ったり、物理的に離れていてもつながりを持てるような取り組みがなされました。また、ディスカッションを含むオンラインの勉強会など対話型の教化活動もそれぞれの開教寺院の状況にあった方法で継続されています。
10月現在でも、カリフォルニア州では未だにレストラン、学校、宗教施設等が閉鎖されており、寺院の法話会や会議は全てオンラインで行われています。宗教施設で集会活動を再開するには衛生管理上の多くの規制があるため、寺院では委員会を設けてガイドライン策定と再開に向けた準備を始めています。
例年の盆踊りの様子
【寺院の枠を超えて】
オンラインの利点により遠方各地から日曜礼拝や聞法会にお参りいただいています。参拝(視聴)者からは「今までは自分のお寺の日曜礼拝にお参りしていたので他のお寺にはお参りできなかったが、ライブでなくても後から録画を視聴できるので様々なお寺にアクセスできます」といった意見や、「引っ越ししてお寺から遠くなり参詣できなくなったことを残念に思っていたが今は気軽に参詣できます」という好意的なご意見をいただいています。
【今後の展望について】
コロナの状況が回復し集会規制が解除された場合も、開教寺院では継続してオンライン配信していく予定です。実際に法座に身を運び、御本尊の前で同じ時間を共有するのが理想ではありますが、オンライン勉強会を通じて、距離にかかわらず共に教えを聴く人々との新たな形でのサンガが生まれてきています。お寺が人々に提供する内容とその形態などが変化していくなかで、時代に合わせた開教の取り組みをさらに考え今後も取り組み続けて参ります。
(北米開教監督部)
その他の各開教寺院の動画はこちらから寺院のホームページに入ってアクセスしてください。