東本願寺では、御影堂をはじめ、親鸞聖人の御厨子(おずし)や須弥壇など様々な場所に錺金具が施されています。2011年に完了した修復の際に、御厨子や須弥壇だけでも、2万点にものぼる錺金具が使われていることが明らかになりました。

修復では、錺金具は本来の金色を失っていたため、梅酢(うめず)()びや汚れを洗い落としました。そして梅酢で洗浄後に鍍金した金具の発色をよくするため、イネ科の植物の苅安(かりやす)の煮汁をつけて、ブラシなどをかけて(つや)と輝きを出して、再度御厨子に取り付けられました。

 東本願寺の建物を彩る錺金具は、親鸞聖人の御厨子おずし、御本尊が安置されている宮殿くうでん、そしてその須弥壇しゅみだんだけでなく、柱や屋根の側面の破風を保護するために取り付けられたものもあります。

 御影堂門では、破風や軒先などは約70種類の錺金物によって装飾されています。柱の根元、雨や湿気で木が腐らないように柱の根元に巻かれた金具には、獅子(しし)が彫られています。

 昔の職人は、獅子などの想像上の動物や伝説の動物の力によって、長い間建物を守ってもらいたいという願いを込めていたそうです。獅子は全部で16頭。それぞれに勇ましい顔や楽しげな顔、ユーモラスな顔などが16頭それぞれ表現されています。日光東照宮の「眠り猫」ならぬ「眠り獅子」も柱の根元で、気持ちよさそうにまぶたを閉じて眠っています。

 その様子は、みんなが楽しく、安心して日々を過ごしていける仏さまの教えが東本願寺にあるということを知っていて、ゆっくりと眠っているのかも知れません。

 次へ >

協力:京仏具小堀(公式HPはこちら) 

森本錺金具製作所(公式HPはこちら)                             

若林佛具製作所(公式HPはこちら