本願寺水道は、1897(明治30)年にに敷設された東本願寺独自の防火用水です。
江戸時代に4度の焼失に見舞われた東本願寺は、フランスから鋳鉄管を輸入し、琵琶湖疎水の水を引いていた京都の蹴上から八坂神社前をとおり東本願寺まで通しました。
そして、御影堂と阿弥陀堂の屋根に鉄の管を這わせ、琵琶湖と境内の高低差48mを利用した自然水圧で水のカーテンを作る設備を作り上げました。
また、本願寺水道を利用して、花屋町には巨大な噴水とため池が作られました。水圧が強く40mもの水柱が吹き上げ、近隣の洗濯物がびしょぬれになるなど不評でした。完成から13年後の1910(明治43)年には境内拡張のため埋め立てられました。