2018年3月19日、久留米教区での第2回「元気なお寺づくり講座」を開催しました。
講師は第1回に引続き、寺院活性化支援員で日豊教区駐在教導の中西無量さんが担当。
第2回のテーマは「無形の価値の視点から自坊の強みを見出し、進むべきお寺の将来像を描く」です。
「無形の価値」とは、馴染みがない言葉ですが、“仏事や歴史の中で育まれてきた、目には見えないお寺を支えている力”と言ってもよいかもしれません。
たとえば、寺族や門徒さん一人ひとりに個性もあれば、お寺と関係する人々や地域との関係性やネットワークも、そのお寺ならではの強みです。
丁寧に掘り起こしていく中に、お寺の新しい気づきが生まれます。
講師からは「具体的な人を思い浮かべながら取り組んでほしい」というガイダンスのもと、ワークショップを行いました。
また、何年後にこういうお寺でありたいという将来像を描き、具体的に絵や言葉にしていくことで、目指すべき方向性を寺族と門徒さんで共有できます。
それは、夢物語のような将来像ではなく、お寺を取り巻く環境変化やお寺の潜在的な強みの裏付けがあることで、お寺の使命を柱に将来構想に繋がるような、現実味を帯びた計画となります。
寺族の方からは、
「将来像の表現がなかなか言葉にできなくて、難しい」
「なかなか頭の中が整理できていないので、お寺に帰ってもう一度整理したい」
と、慣れない作業か、苦慮されている様子もありましたが、
ご門徒の中からは、
「住職がそれぞれに思っていることを率直に聞けて、お寺の可能性を感じた」
「先代のとおりにやってきたけど、住職もいろいろ考えているので、アイデア出しながら協力してやっていきたい」
「自分の力量も限られているので、一人でも多くの同志が必要だとつくづく感じた。」
「お寺は敷居が高いと言うけれど、こうやって皆でやったら、敷居が外れると思えた。」
と前向きな感想が多く聞こえてきました。
このように、お寺を支えてくださるたくさんのご門徒の存在に改めて、お寺に強み(無形の価値)があることに気づかされます。