お寺をひらく
お寺に親しみをもってほしい
地域のお寺に
小松教区(石川県小松市千木野町)にある円光寺では、日頃、お寺を縁遠く感じている方、近くの千木野団地の方々にお寺に親しみを感じてもらおうと、2016年から「お寺deコンサート」と題し、本堂でクラッシックコンサートを開催されています。
3年目となる今年は、2018年7月14日午後7時から8時まで開催。約130人の参加でした。
セミの鳴き声が響き、本堂から見える外の景色がだんだんと薄暗くなっていく中で、内陣や外陣に配置されたロウソクやイルミネーションが次第に映えていきます。
御本尊を中心として広がる音と光の世界。
気温27℃。本堂の扇風機と、たくさん用意された団扇、縁側に用意された麦茶が心づかい。
参加費はワンコインの500円です。
住職 大谷制以知さんの挨拶の後、早速演奏が始まりました。
出演は、オーケストラ・アンサンブル・金沢(OKE)のみなさま。
ソプラノ(Sop)石川公美さん
ヴァイオリン(Vn)坂本久仁雄さん
ピアノ(Pf)田島睦子さん
先づはモーツアルト/ヴァイオリンソナタ。
ご住職によると、今回のコンサートにあたって、ステージとライティング、持ち運びしやすいパイプ椅子を準備し、音響設備は特段何も準備してないとのことですが、ヴァイオリンとピアノが大迫力で響きわたります。
その後、歌も交え演奏は続きました。
MCでは、ヴァイオリンの坂本さんによると、
「日本は湿度が高いため弦楽器に向かない国だとのこと。特に梅雨時期は、ヴァイオリンの弦に使われている馬の尻尾の毛が湿度で伸びてしまい調整が難しい。」
「楽譜は置いてあるけど、ほぼ見ていない。」
などのトークで楽しませました。
全10曲の演奏が終わった後、アンコールの拍手。最後は、参加者全員で日本の歌「ふるさと」の大合唱で終了しました。
このたびの音楽会では、7月の西日本豪雨の義援金も参加者のみなさんにお願いしており、寄せられた29,611円は、広島県共同募金会に送られております。
【住職、坊守談】
もともと円光寺は大杉地区にあって、昭和56年の豪雪で建物の柱が折れて、再建を検討し、将来を考えたご門徒の力添えがあって、この千木野地区に寺地移転された。一番離れたご門徒はここから40kmぐらいの金沢にあり、ご法事や報恩講の際にご門徒宅にお参りに行っています。
この千木野地区は、田んぼや竹やぶしかありませんでした。養鶏場があった時もありました。しかし、宅地開発がされ、沢山の住宅が建てられ、子どもも増えています。去年までは子どもが来なかったけど、今年は若い親子連れも来ていただけてよかったです。ぱっと顔が分かったご門徒は10人ぐらいだったと思う。お寺の周りに住む方は増えたけど、門徒以外の方が圧倒的に多いです。住む人が増えたからといって、門徒が増えるわけではありません。法話会の時はなかなか足を運ばれない方も、このようなコンサートでは沢山の方に来てもらえる。このような行事をきっかけに、お寺に親しみがわいてもらえるといいなと思っています。最後に歌った「ふるさと」はノリノリで指揮者みたいにしてた方もいましたね。来年もする予定です。
⭐︎町内の子ども育成会で、子ども報恩講を公民館で行なっているとの情報。大谷住職はお勤めを教えるだけで、お勤め、御文、キンなど儀式に関わることは全部子どもで代々行なっているとのこと。土徳です。