生老病死の問いを様々な現場で考え、表現している方を講師に迎え、「老病死」を抱える身として生まれた私たちの存在とはどういうものなのか、そのことをともに考える「しんらん交流館公開講演会」

堀川惠子さん

 

 

「本人が執行されても、幸せになった人間は、誰ひとりいません」

堀川惠子さんは、教誨師・渡邉普相氏への取材の終わりかけに、ふとつぶやくようにその口から洩れた言葉が忘れられないそうです。
人間は、ほんの一縷でも希望を持てなければ生きていけない。教誨師という仕事に、果して希望はあるのでしょうか?なければ、何を支えに歩み続けるのでしょうか?

自らの命をかけて渡邉氏が語り残してくれた事々は、そんな懊悩に満ちていた。

教誨師に限らず、死刑という難題に真剣に向き合ったことのある者なら、その立場を問わず、誰もが共通して胸に感じる「虚無感」のようなものがある。

死刑執行のそのとき、「とうとう仇を取った」とか「正義が貫かれた」などという勇ましい感慨も、達成感ももたらされないと堀川惠子さんは考えておられます。
法治国家に生きる私たちは、「法」によって生身の人間が生身の人間を殺すことを合法とする現場は一体どういうものなのでしょうか?。

このたびの講演会では、教誨師・渡邉普相さんに耳を傾け丁寧にその言葉を拾ってきたジャーナリスト・堀川惠子さんをお迎えし、「命」「法」「社会」、いまを生きる私たちについて一緒に考えます。

●開催日時 2019年8月7日(水)18:00~19:30

●講   師 堀川惠子さん【ジャーナリスト】
●講   題 「命に向き合う教誨師」 

●聴  講  料 500円

※1階京都ホテルオークラ・オリゾンテのソフトドリンク1杯無料券付です。講演会のはじまる前に、美味しいコーヒー・紅茶をどうぞ(当日から9月末日まで有効です)

●そ  の  他 事前申込み不要です。公共交通機関をご利用ください。

【メッセージ】

教誨師」とは、罪を犯した人たちに向きあい、更生の手助けする仕事です。その中には、死刑執行を待つ死刑囚もいます。処刑される運命にある人間とどう向き合い、何を語るのか。ある教誨師の遺言に耳を傾けます。

【プロフィール】

1969年広島県生まれ。テレビ記者、ディレクターを経て執筆業へ。『教誨師』(講談社)で第1回城山三郎賞をはじめ、『原爆供養塔』(文藝春秋社)で第47回大宅壮一ノンフィクション賞、第15回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞、『戦禍に生きた演劇人たち』(講談社)で第23回AICT演劇評論賞を受賞。最新刊『狼の義』(角川書店)ほか『永山則夫』(岩波書店)など著書多数。

【次回以降予定】

2019年9月5日(木) 赤坂憲雄(民族学者)

2019年10月17日(木)石川文洋(報道写真家)

2019年11月未定

2019年12月12日(木)山折哲雄(宗教学者)

2020年1月未定

2020年2月6日(木)原田眞人(映画監督)

以降未定