長浜教区第24組では、寺族とご門徒が協力し、さまざまな活動に取り組まれています。今回、24組の合唱団 「山河サンガ」と、その結成3周年を記念した「法話と仏教讃歌のつどい」を取材しました。

通信員発信6:合唱

 

【長浜教区第24組】

滋賀県の湖北地方(琵琶湖北東に位置)にある、長浜教区第24組は、30ヵ寺で構成されています。1980(昭和55)年には、各寺で仏教婦人会や壮年部が結成されました。1982(昭和57)年には組門徒会が発足。今年で39年目となる組の日曜学校の研修会が現在も継続されていて、現在の壮年部のメンバーは子どもの頃、日曜学校に参加していたのだそうです。

 

近年は、真宗大谷派宗務所企画調整局主催の「元気なお寺づくり講座」を受講し、壮年部メンバーによるプロジェクト24を中心に「今何が問題か、何をすべきか」の話し合いと実践を重ね、ホームページを開設するなど精力的に活動されています。

 

【合唱団「山河サンガ」結成】

合唱団「山河サンガ」は2017年開催の「24組同朋のつどい」に向けて、2016年10月に住民や門徒、坊守・住職など43人で結成。その後、解散を惜しむ多くの声に後押しされ、正式に「24組合唱団 山河サンガ」として発足しました。

今では月1回、3~4ヵ寺を会場に、冬の降雪の時には公共施設を利用し、練習しています。中学校の音楽教師をしていた谷寿子さん(誓海寺坊守)が合唱の指導をし、ピアノ伴奏は前川侑香さん(樹德寺門徒)や、高橋八重さん(誓海寺門徒)が交代で務め、心強いといいます。

 

通信員発信2:ポスター

通信員発信1:看板

山河サンガ結成3周年記念イベントに向け制作されたポスターと手づくりの看板

 

団員の皆さんの共通する思いは、「参加することで皆さんと会える楽しみや、練習会場のお寺にお参りし、仏教讃歌を歌わせてもらう喜びがある」ということ。団長の久保治美さん(殘景寺門徒)は、「美濃部組長や秦教導も団員で、24組の教化委員、門徒会幹事、婦人会役員、NB(ネオボーズ)会の皆様など、多くの方々が支えてくださっている」と話してくれました。結成3年という中、各寺の報恩講や同朋のつどいなどに出演の依頼も年に数回あるそうです。

 

【法話と仏教讃歌のつどい】

2019年12月8日、滋賀県長浜市の木之本スティックホールを貸し切り、「24組合唱団 山河サンガ結成3周年記念-法話と仏教讃歌のつどい」が開催されました。約300人の観客は披露された10曲の仏教讃歌に聞き入っていました。最後の「いのち毎日新しい」という曲では、今日一日を精一杯生きえた喜び、歓喜が、結成3周年の感激を込めて共に歌われました。

 

通信員発信7:合唱

合唱

メンバーの歌声が会場につどう地域の方々に届きます

 

合唱の前には、「つながりを生きる」と題して、秦信映氏(明德寺住職)から法話がありました。法話通信員発信3:秦氏法話の中で秦氏は、「日本では、100歳以上の方が7万人という長寿社会になってきたが、長生きすれば幸せという時代でなくなってきた。幸せとは何か。生かされていることを感じなくなってきている。それは「自分にとって都合のよいことが幸福の条件」「自分にとって都合の悪いことは不幸なこと」との思いに執着しているからはないか」と語られ、私たちのあり方をとおして、私たちを支えるつながりについてお聞きしました。

 

秦信映氏による法話の様子

 

 

つどいの最後、門徒会長の安居重晴さん(浄敎寺門徒)は、「時代の流れとともに、薄れゆく人と人のつながり、家族のつながりを大切にすることを、あらためて考える機会となりました。私たち真宗門徒が率先して「つながって生きる」ことの大切さを発信してゆきましょう」と語りました。

休憩時間の「ふるさと」を手話で歌う

休憩時間に手話を交えながら全員で「ふるさと」を歌いました

 

◆この日、参加者には今日のご縁にと、24組で作成した『正信偈』意訳本とホームページで紹介する「ミニ法話」川柳シリーズをまとめた冊子が配られました。

通信員発信10:配布された冊子

通信員発信9:配布された冊子

正信偈意訳本(左)とミニ法話集(右)

 

≪取材を終えて≫

今回のつどいの12月8日は、約2500年前お釈迦様がおさとりを開いたとされる「成道会」(じょうどうえ)の日でした。お釈迦様のおさとりの内容とされる「縁起」とは「ご縁 ご縁 みなご縁 困ったこともみなご縁 南無阿弥陀仏にあうご縁」(木村無相)ということでしょう。

皆さんの合唱している姿や観客の皆さんの姿を拝見していると、南無阿弥陀仏のご縁によって生まれた、「人と人とのつながり」を感じました。また、仏教讃歌の歌詞を味わってみると、すべて私たち自身に呼びかけられている法語のように心に残りました。

「サンガ」とはこういうことを言うのではないでしょうか。

アンコールで皆さんと一緒に歌った「朝」(榎本栄一著『群青海』より、作曲:指方浩)の歌詞が、未だに忘れられません。

 

自分が どれだけ 世に役だっているかより

自分が 無限に 世に支えられていることが

朝の そよ風の中で わかってくる(繰り返し) 

                         (長浜教区通信員・國友 強)