長崎教区の仏教青年連盟が取り組む「寺スクール」は、仏教に馴染みの薄くなった若者世代に向けて2017年から始まった取り組みです。仏教青年連盟の歩みを振り返りながら、「学び」と「出会い」の場をコンセプトに開かれていれる、この「寺スクール」を取材しました。

集合写真

 

長崎教区の仏教青年連盟((ぶっ)(せい))の歴史は古く、現在80歳くらいのご門徒の中にも、「私も若い頃は、仏青に入っていました」とおっしゃる方がいます。

 

《仏教青年会の灯》

教区仏青の運動の原点は、私自身が籍を置く福浄寺にあるようです。先代住職、深草 淳が戦後間もない1946(昭和21)に門徒に呼びかけ始まった仏青は、資料によると結成当時300人近くの会員が所属していたそうです。

 

その福浄寺仏青運動が、長崎教区全体に急速な広がりをみせ、1948(昭和24)の蓮如上人四百五十回御遠忌の頃には、各寺単位で動いていた仏青が「教区仏青連盟」を結成し、組織化されます。その頃には、仏青の運動が教区の教化の中心となっていて、2泊3日の研修会は食事持参で、いつも100人を超える参加者があったそうです。

 

それから徐々に、この長崎教区の仏青の火が、九州そして全国に広がっていきます。1955(昭和30)年8月7日から3日間、長崎で開かれた「大谷派全国仏教青年大会・スカウト大会無題(第1回大会)」は、全国各地から集まった1,300人の仏青会員が参加して開かれました(写真:大会に向かう青年たち、長崎教務所提供)。その翌年、全国的な仏青組織ができました。

長崎の一つの寺から始まった運動が、全国の青年たちに広まっていった事実をあらためて大切にしたいと思います。現在、長崎教区の各寺院で仏青が存続している寺は決して多くありません。しかし、先に述べた仏青の歴史が、老少を問わず、「道を求める心」のあることを教えてくれているように思います。

 

《若者世代に向けた長崎寺スクール》

現在、長崎教区の仏教青年連盟によって年2回開かれている「長崎寺スクール」は、若者世代に向けた集まりです。現代という時代にあった教化のあり方を模索中です。まず、「寺に足を運んでもらって、何かを感じ取ってもらいたい」。そう思いながらさまざまなテーマで呼びかけています。

呼びかけに応じてくださった参加者の中には、日曜学校の卒業生だったり、親御さんから勧められたからといった方も多いことに気づかされました。

 

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正信偈同朋奉讃をお勤めしました

 

5回目となる「長崎寺スクール」は、2019年10月6日15時から20時半にかけて、長崎市三重町にある正林寺を会場に行われ、スタッフ含む計65人が参加しました。テーマは「寺deミュージック仏×音×香」。仏教と音楽と香りです。

 

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インターネットテレビで放送中の                 文香(お線香で作る匂い袋)づくり

「お寺でじぃーん」の再現も

 

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長崎教区の声明・雅楽の会                         西光寺・指方伊織さんの節談説法

自然相和会による雅楽

 

当日は班に分かれて自己紹介や匂い袋づくり体験が行われ、雅楽の演奏や節談説法なども交えながら、仏教と音楽の深い関係も紹介されました。今回はさらに、スペシャルゲストに「いっちゃん」こと、オーボエ奏者の市原隆靖さんをお迎えして大いに盛り上がりました。

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市原隆靖さんのオーボエ演奏        懇親会でのゲームの様子

                         (長崎教区通信員・深草誓弥)