寺院活性化支援員を派遣して、お寺の現状や課題、要望をていねいにお聞きし、寺族と門徒と一緒に教化の取り組みを考える〝寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援”

真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要をお迎えする2022年度までの4年間、慶讃事業の重点教化施策の1つである寺院活性化の取り組みを推進してまいります。
寺院活性化支援室 過疎・過密地域寺院教化支援では、真宗の教えとの出遇いの場、寺院が共同して聞法の場を開く取り組みが推進されることを願い、地域連続法話会の開催に対しての助成を行っています。

今回は、2022年4月24日(日)~26日(火)九州教区鹿児島組で行われた「地域連続法話会」・ 「甑島巡回法座」 をレポートします。

2019年に甑島のお寺をまわっての聞き取りやワークショップhttps://jodo-shinshu.info/2019/04/24/18329/から3年が経ちました。

 当初は2020年に開催を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い延期となり、今回、甑島寺院の協力もあり、ようやく開催に至りました。

甑島は、上甑・中甑・下甑3島で形成され、2021年には全島を結ぶ橋が完成し、島同士の交流が増えた。

しかしながら、一方で過疎化や少子高齢化等により、4年前までは6ヵ寺あった大谷派寺院も、今では4ヵ寺となってしまいました。

お寺が減るということは、聞法する場が減るということ

 そこで、九州教区と協力のもと、巡回法座(地域連続法話会)を企画し、甑島で聞法の場が創造されていくことを願って、このたび開催されました。

 講師には、鳴一志さん(鹿児島組正縁寺住職)に出向いただき、講題「甑島の源」のもと、3日間で全寺院(4ヵ寺)を巡回しました。

 「どれほどの参詣があるのだろう?」

 初めて行う企画なので、「どれほどの参詣があるのだろう?」と不安がありました。

 しかしながら、4ヵ寺で約80名の参詣者があり、その中でも、下甑島瀬々野浦地区にある西淨寺では、50人ほどしか住んでいない集落にも関かかわらず、約40名の参詣がありました。

 講師の鳴さんからは、甑島の『郷土史』の中に記載されていた内容をもとに、「かくれ念仏時代の明治9年までの300有余年間は、鰯漁を生業としていた先達が、“自分たちも鰯と同じ弱い人間、この最果ての地で生まれ命をおえていく身、地獄に落ちて行かざるを得ない”と考えていた方々がおられ、それでも先達は『三誓偈』を大切に勤め、そこに書かれれている三つ誓願に救われ、堂々と生きていかれた方々がおられた。」と、その事実を法話の中で伝えられました。

 参加されたご門徒からは、

「今までこの様な法話を聞く機会がなかった。住職、これからはもっと法話をしてほしい。」

「甑島まで来ていただき本当にうれしい。ありがとう。」

などの声が多く聞かれました。

 2日目には、同朋の会を結成された下甑島の大照寺へ、本山からの上山旗と提灯が手交されました。

「これを持って一度本山というところに行ってみたい」

と、ご門徒からの声があり、また、代務者の熊本さんは、

「これから毎月28日は同朋会を開催して少数でも続けていく」

と、頼もしい言葉を述べられました。

 九州教区鹿児島組には、甑島以外にも奄美大島・種子島・屋久島・獅子島、沖縄県に大谷派寺院があります。

 企画調整局・寺院活性化支援室では、本山・教区・組と連携し、各地域にお聞法の場をつくっていく取り組みをしたいと考えています。

お寺や地域が変われば、その地の生活の中で育まれた「真宗」が息づいています。

【甑島巡回法座・地域連続法話会レポート】

甑島の 巡回法座・地域連続法話会に同行した九州教区駐在教導 玉井 和導さん執筆の九州教区事務通信2022年6月号からの報告です。

【参考 かくれ念仏について】

東本願寺ラジオの時間https://jodo-shinshu.info/category/radio/detail22_06.html

本願寺派鹿児島別院https://www.hongwanji-kagoshima.or.jp/kakurenenbutsu/rekishi.php