お勤めの様子
お勤めの様子
「ご遠忌も、お待ち受けも、自分から積極的に参加してほしい」

去る5月23日、三条別院において三条教区第15組の親鸞聖人750回御遠忌お待ち受け大会が営まれ、500人を超えるご門徒が三条別院本堂に参集しました。

讃歌、踊り、法話、記念品のすべてを手作りにしたのは、「偉い人のお話よりも、自分たちで作ろう、参ろう」という思いからでした。自分から参加するということは、人任せにしないということ、私がお参りをするのだという自覚への願いでありました。

新潟には親鸞聖人の御旧跡「七不思議」があります。数珠かけ桜、つなぎがや、八つ房の梅、焼き鮒、三度栗、逆さ竹、片葉の葦。このうち、第15組の了玄寺のつなぎがや(カヤの実)をストラップに仕立て、ご門徒の手作りの経本入れに添えて記念品にしました。1つひとつが手作業で作られた、第15組だけの記念品になりました。

ご門徒の調声のお勤めで開会式の後、全員で讃歌を斉唱しました。休憩の後は「リレー法話」でした。これは親鸞聖人の生涯を4つに分け、それぞれが7分間の法話をし、次へバトンタッチをするもので、第15組では初の試みでした。

親鸞音頭の踊り
親鸞音頭の踊り

私は夫と2人で「結婚をした僧侶」という視点から「親鸞聖人夫妻の文通」をテーマにお話をさせていただきました。夫は関東での親鸞聖人を、私は越後での恵信尼様を担当し、離れ離れで暮らす聖人夫妻のご信心を『教行信証』と『恵信尼消息』から読み合わせました。大変難しい取り組みでしたが、このご法話を機縁に、夫とご信心について深く話し合う機会が持てました。

続いて「親鸞音頭」の踊りと「銭太鼓」の演奏披露でした。「銭太鼓」は女性の手持ち太鼓の演奏で、「ぜひ親鸞音頭に合わせて演奏を」という坊守さんのお声がけから総勢三十名の大演奏となりました。練習会に参加した方々、飛び入り参加の方々と共に本堂を端から端まで歌い、踊りました。

親鸞音頭に合わせた銭太鼓の演奏
親鸞音頭に合わせた銭太鼓の演奏

ご門徒の調声で閉会式の後、参加者の皆様からお声を聞きました。「手作りが本気に(本当に)よかった」「京都は遠いけれどごぼさま(三条別院)ならやれもか(どうしても)行かんばねえこて(行かなければならない)」スタッフからは「大きな輪ができた。若い人の力を感じた」「参加した人、しない人ではない。一人ひとりの今後の歩みに託されたと思う」という声が上がりました。温かいお声の中に、たしかにお念仏が息づいていました。

(三条教区通信員 石塚 亜里)
『真宗 2010年(10月)』
「今月のお寺」三条教区第15組
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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