01キャプションなし伝道掲示板
ぼくは決して(いや)されたりしない。ただ(ゆる)されるだけ。
                        (村上春樹)

 今回紹介する極樂寺のある八尾市は、大阪府の中央部東寄りに位置し、大阪市の近郊都市として発展しました。「河内音頭発祥の地」とも言われています。また、同市内には70カ寺ほどの真宗寺院が存在します。

ご住職の高名等さん(27歳)は、昨年の春に住職として入寺し、現在があることについて、「総代さんが、若い住職を引っ張っていってくれるようです。私が育ててもらっています」と話されます。

極楽寺の東側は、バス通りに面しており、その通りに向かって掲示板が設置されています。高名さんは、初めてこのお寺に来た際、「ここに掲示板があったらいいな」と思われたそうです。その後、入寺が決まり、しばらくして「バス通りに面したお寺の壁に、大きな掲示板を立てたい」と、総代さんに相談をもちかけると、すぐに掲示板の設置が決まりました。掲示板に対する意識については、「実家のお寺(青森県)の掲示板のイメージが大きく影響したように思います。そして、その掲示板に向かう父の影響もあるように思います」と話されていました。

02キャプションなし 掲示板ができてから、掲示板の見える家にお住まいのご門徒さんから「お寺らしくなった」と言われたり、通りを歩く女性が掲示板に張っている寺報を読んでくれていたりとさまざまな反響があったようです。その掲示板に自ら毛筆で書くことばは、母がよく言っていたことば、坂村(さかむら)真民(しんみん)さんの詩、ドキュメンタリーで紹介されていたスポーツ選手のことば、映画のなかのことばなど、日頃の生活のなかで自分自身に響いたことばを書くようにされています。ことばについては、掲示板を見る側に考えてもらうというよりも、自分にとっての課題を発見するきっかけになっているそうです。高名さんは、掲示板に関わることによって、少しずつでも前に進んで行けるように感じるそうです。

今後の掲示板に定まった方針を持っているわけではないそうですが、掲示板をとおして、ここにお寺があり、活動していると感じてもらいたいそうです。「とにかく続けていきたい」とのことでした。

自らが問われることばを感じ取り、自らで書く。それは飾ることなく生きたことばを表現された掲示板だからこそ、そこには型にはまらない力強さがあるのだろうと思いました。

(大阪教区通信員 松川真哉)
『真宗 2009年(7月)』
「お寺の掲示板」大阪教区第18組極樂寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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