圓宮寺
昨日の雨風は止んで快晴の中、御上洛3日目がスタートしました。朝7時からはお朝事が勤まり、随行教導の相馬氏の法話では「この道中はお念仏に生きた方々の人骨をもって成り立ち、私たちを導いてくださっている。このことを歩く中で確かめていただきたい」と話されていました。朝8時には圓宮寺を出発し、ここから次の樫尾さん宅まではこの地域所有の御輿に御影を収めて歩いていきます。
ご門徒宅
本日の区間は最初の圓宮寺と最後の浄念寺以外は全てご門徒のお宅です。お立ち寄り所ではお茶やお菓子が用意され、休息の後、毎回勤行と法話が勤まります。法話用に高座が用意されているお立ち寄り所も多くありました。「樫尾家にとってこの御影道中が一年で最大の行事。これからも子どもたちに受け継いでもらいたい」とお立ち寄り所の樫尾さんは話します。お立ち寄り所ではそれぞれ、勤行の時間が近づくと、近所に住む方が集まってきて、法話を聴聞されます。来られる方の中には「毎年こうやって近所まで来てくれるので、蓮如上人を身近に感じられる」と話してくれる方もいらっしゃいました。中には蓮如上人の御真筆の名号が掛けられているお宅もあるなど、様々な場面で蓮如上人のいぶきを感じました。
湯尾峠越え
湯尾峠越えは御影を背負って歩いていきます。御輿は峠を越えた麓へ先回りします。御上洛にしか通らないこの峠には、会所の山口様の御先祖が、峠の入り口まで蓮如上人をご案内したという伝承があります。そのため、代々山口家の方が入り口までの間を担いできたのだそうです。ところが去年までの担い手が今年は腰を痛めてしまっていたとのことで今回は大阪から参加の女性が峠の入り口まで御影を背負いました。
峠に入ると少しの間隔で次々と担ぎ手を交代していきます。舗装されていない険しい道ですが、担ぎ手からは自然と「ナンマンダブツ」の声が。道が険しい分、歩く方々の結束と足取りはより力強く感じられました。
■圓宮寺(福井県越前市)
■浄念寺(福井県南条郡) 宿泊所