伝道掲示板
自分を強く見せたり

自分を巧く見せたり
どうして僕らはこんなに
息苦しい生き方選ぶの?
                   (平井 堅『LIFE is …』)

 秋田市郊外でありながら、人通りが比較的多い地域に願成寺はある。寺院が少ない所ではあるが、海水浴場や学校など、環境に恵まれ、掲示板を見る人も多いという。掲示板は現住職である中島善亮さんが幼い頃からあったため、いつ頃から設置されたかは定かではないという。しかし、「先々代から先代、そして自分へと続いてきた掲示伝道というものを大事にしたい」という姿勢で取り組んでいる。

―掲示板をどのような思いで見てほしいですか。
 「結構見てくれている人は多いですね。お寺の前を歩いている人などがメモに書き留めてくれていたり、その場で言葉の意味を聞かれたりすることがあります。また、葬儀等で会った人に「いつも見てますよ」と言われたりと、反響は大きくてありがたいことだと思います」
01キャプションなし この願成寺の近くには中学校があり、その生徒がお寺の前を通学路として利用しているので、言葉選びには若い世代にも見てもらえるような配慮をしているという。掲示板を見て、何か感じてもらいたいという願いが込められている。そのために、宗門内の先生の言葉だけに留まらず、歌詞やドラマでのセリフ、または落語から引用したりと、掲示伝道のための言葉を選ぶ手段としては多岐にわたる。また、そのために心が動かされるような言葉はないか、常に意識はしているという。

「うちのお寺では寺報も出しています。しかし、こちらは直接的な反響というものは感じることはできないんです。しかし掲示板は別ですね。目に留まる機会も多いので教化という意味では影響があるのかなと思います」と住職さん。
この寺報(年間3回発行)にも掲示板の言葉を掲載し、その解説文も載せているという。ご門徒さんのなかでもお寺の前を直接通らない人もいるため、このような方法で掲示伝道という教化活動を進めているという。

―掲示伝道を大切になさっているんですね。

掲示板の言葉メモ
掲示板の言葉メモ

「ご門徒さんに対してお話をしたりという教化活動はお寺のなかではできるのですが、掲示伝道の場合は、全くお寺と関わりのない人に対しても仏教の教えとまではいかなくとも、何かを感じていただく機会だと考えています。そういった意味では大切なものだと思いますね。また、反響が大きければ、地域の人とお寺との接点を持っていただくはたらきもあると考えています」

掲示伝道は、お寺というものを一般の方にも意識してもらえるものだと考える住職。掲示される言葉が非常に多彩なので、見ている方も飽きることなく、むしろ興味を惹かれる掲示板になっていると感じさせられた。

(奥羽教区通信員 荒川秀志)
『真宗 2009年(9月)』
「お寺の掲示板」奥羽教区秋田県中央組願成寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。

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