国の法律で「過疎」「みなし過疎」「一部過疎」と認定された地域などに講師を派遣し、「真宗の教え」に親しんでいただく「お寺に寄り添う講師派遣」
島根県雲南市木次経済文化会館チェリヴァホールで、〝京都教区出雲組 お寺に寄り添う講師派遣″2019年3月5日(火)「同朋についてのおしゃべり会」、3月6日(水) 「住職と総代の交流会」を行いました。京都教区出雲組は33ヵ寺、島根県松江市、出雲市、雲南市、仁多郡奥出雲町、隠岐郡隠岐の島、隠岐郡海士町と広域で、山・海・離島がある組です。
【2019年3月5日(水) 1日目】 同朋についてのおしゃべり会
同朋とは?・・・同じ教えに生きる友という意味。同行、同侶、御同朋・御同行 出展『真宗小辞典』
1日目は組門徒会員、推進員、門徒が主な対象の、『法語に親しみながら、お互いの心に触れる』ワークショップ
今、お寺の「伝道掲示板」が注目されています。テレビやインターネットで数多く取り上げられ、「輝け!お寺の掲示板大賞2018」というイベントも開催されました。門徒であること、年齢や職業、生活環境の違いを超えて、仏法のことばに〝イイね!″と共感する。それこそが、「同朋」ではないでしょうか?
でも、よくよく考えてみると、この「伝道掲示板」は住職や寺族だけで運営しているお寺が圧倒的に多いですね。
ご門徒みなさんも法語にふれる・選ぶ作業を一緒にして、お互いの心の深いところにある感性が響き合うことで、「同朋」の気づきがあるのではないでしょうか?
みんなで作る「伝道掲示板」。この作業を一緒にさせていただき、お寺でも実践されてみてはいかがでしょうか?との提案です。
13:00
【開会】
真宗宗歌、組長挨拶、企画調整局御礼挨拶、日程説明・講師紹介で始まりました。
13:15
【お話し】
講師は企画調整局参事 竹原 了珠(たけはら りょうしゅ:元名古屋教区駐在教導、能登教区 淨願寺 住職)氏です。
「仏教・真宗の教えを法話で聞いていくということも大事なこと。でも、ご門徒の先輩たちは〝聞く”ということ以外でも身体を動かすことによって仏法を感じていた。」
「例えば、清掃奉仕。御堂の正面の階段はデコボコしている。もともとは真っ直ぐだったけど、たくさんのお参りする方がいたこそデコボコしている。そのことを想像しながら雑巾がけをする。」
「例えば、蓮如上人御影道中。京都の東本願寺(真宗大谷派本山)から福井県あわら市の吉崎東別院まで僧侶と門徒たちが、蓮如上人御影を徒歩で運ぶ宗教行事。1日30~40kmを歩く。300年以上欠かさず続けられている。」
「作業したり、歩いたり、することで仏法を感じていた。作業をして、みんなで話をして何らかのカタチになっていく。これを今のことばで言うとワークショップということであろう。」
とお話された後、実際に自坊で行っている「伝道掲示板」の取り組みの紹介が始まりました。
【14:00】
いよいよ法語ワークショップン始まりです。
まず、各班に50枚ずつ法語カードを配りました。
【1週目】一枚見たら左隣の方に手渡していきました。みなさんじっくり見られます。結構時間がかかるものです。
【2周目】心に残る一枚を選ぶつもりで、一枚見たら左隣に手渡していきました。
【3週目】机の上に50枚のカードを並べて、心に残る一枚に付箋で投票し、なぜその法語がいいと思ったかのお話を順番にしていただきました。〝一つの言葉に人生を投影する”といったお話が聞かれました。
一人暮らしでのペットとの関係・学生時代をともに過ごし、子育ても同時期で子どもも大きく育った今、友人が病にかかったこと・分かっちゃいるけど自分勝手に過ごしている私・・・
【15:40】
今度は他のテーブルに行って、どんな法語が選ばれたか確認し、2票付箋を貼りました。
【16:05】
元のテーブルに戻り付箋の集計。
【16:10】
各テーブルの最多投票の法語を筆で書いてみました。書くときは利き手と反対の手で!!理由は字の上手い下手を超えて書くこと。相田みつおさんになったつもりで書こう!
【16:30】
できた法語を各班で発表いただきました。「言葉との出会いでこんなにも自分の内面が掘り起こされるなんてびっくりだ。」「自分と同じようなことを考えている方を発見した。」「聞くばかりでなく、味わい、話せた。あっという間だった。」
【17:00】
終了
【2019年3月6日(木) 2日目】 住職と総代の交流会
2日目は住職・総代が主な対象の、住職と総代の交流会
様々な状況の違いがあっても、住職と総代はお寺の護持・運営という点では同じ役割を担っています。しかし、お寺の現状と将来をどう描いたらよいのかといった大きな視点で話し合うのは難しいことです。今回はお寺を取り巻く状況を学びながら、一緒に考えてみました。
13:00
【開会】
真宗宗歌、組長挨拶、企画調整局御礼挨拶、日程説明・講師紹介で始まりました。
13:15
【お話し】
本日も講師は企画調整局参事 竹原 了珠(たけはら りょうしゅ:元名古屋教区駐在教導、能登教区 淨願寺 住職)氏です。
竹原さんの自坊での取り組み、昨日のワークショップの様子を伝えながら話が進みました。
そして、きちんと現状を把握するため、日本の人口が今後急速に減少していくと。島根県からの転出者はどこへ行かれたかを学びました。(近隣の大都市である広島、岡山、福岡、大阪、東京・・・)
その後、あらためて自分の友人や知り合い、門徒がどこに行かれたかグループで出し合ってみました。
そして、その方々はどんな求めがあるのか想像して、できることを考えてみました。
「便利な生活を求めて」、「都会に憧れて」、「仕事の関係で」、「夫が亡くなったのをきっかけに娘のいる大阪へ」、「定年過ぎたら必ず出雲へ帰る」、「親不孝したと今でも思っている」、「お墓参りが気にかかる」
いろいろなことを皆さん聞いているようでした。ただ、出て行かれた方のふるさとへの思いに応えるアイデアって難しいというのが全体の感想でした。
【主なアイデア】
★寺報を送ろう ★地元の四季や街の出来事をお知らせしよう ★お寺の行事案内は欠かさず送りたい ★希望の方にはお墓参りしている様子をリアルタイムで動画配信する ★葬儀や法事以外に南無阿弥陀仏を伝えられる方途・機会が必要だが思いつかない ★手紙は文才がないから大変だけど、今まで以上に会った時のコミュニケーションする時間を大切にしたい。そのことによって、つながりを感じられるのではないか
【エピソード】
記憶をたどると、お寺の前坊守である私の母は、丁寧に地元を離れた方に手紙を書いていた。お元気ですか?ってだけじゃなく、仏教・浄土真宗の教えにつながるような言葉も入れていた。夜な夜な書いていた。今日、あらためてその思いをいただいている。
〝つなぎとめる”ってことが全てではない。きちんと〝受け渡していく”っていうことも一方で大事なことである。
全体の人口が減少し、その人口は都市に集中していっている。定住型社会から移動型社会へ。そんな中で、真宗の教えが伝わる場と次世代へ教えを相続していく環境は、どのように創ることができるでしょうか?今までも、たくさんの方が考え行動してきたことだと思います。一緒に話しをして考えていく。その中で、きっかけとなる何かが見つからないか。そのような思いで、過疎・過密地域寺院支援担当の支援員は、丁寧に声を聞いていきたいと考えています。
寺院活性化支援室では、お寺の教化活動を一緒に考えます。