生老病死の問いを様々な現場で考え、表現している方を講師に迎え、「老病死」を抱える身として生まれた私たちの存在とはどういうものなのか、そのことをともに考える「しんらん交流館公開講演会」。
当日は、赤坂憲雄さんが東北を歩いて聞いた「聞き書き」を中心にお話しいただきました。人間の生活と山・野・河・海がともにあることをあらためて感じるお話でした。一つの言葉の背景にはたくさんの〝人″や〝コト″が凝縮されています。
〇カッパがきゅうりをくわえて・・・〇1960年代以降、キツネにバカにされる話を聞かなくなったわけ〇落穂ひろい・・・〇山の物(キノコや山菜)は先着順・・・〇世界は無私無縁を必ず必要としている。
【紹介された一例:船主の親方の言葉】
加茂の船乗りの暮らしはけっして惨めなものではなかった。天秤棒と呼ばれる独特な浜の慣習があった。船乗りが漁獲物の半分くらいかつぎ出し、勝手に現物支給で分配するが、船主はそれを見て見ぬ振りで容認する、そんな慣習であった。市場に卸すまでは、魚は自分たちの物だという意識が強かった。抵抗の手段でもあった。
●開催日 2019年9月5日(木)18:00~19:30
●場 所 しんらん交流館 大谷ホール
●講 師 学習院大学教授・民俗学者 赤坂憲雄さん
●講 題 「山野河海(さんやかかい)の言葉たち」
【当日の資料です】
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(№3)