【真宗の仏事※恢復への取り組み/福井教区】

 


真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の5つの重点教化施策の一つとして、「真宗の仏事の回復」を進めています。これは朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事が、御本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していくための取り組みです。ここでは各教区の動きを紹介します。

 


 

福井教区では2017年度から教区教化委員会の事業として、通夜葬儀に関する話し合いを始めました。しかし、一宗派のみではできることが限られているため、本願寺派の有志、葬儀社の方にも参加いただき、「浄土真宗通夜葬儀懇談会」を定期的に開催しています。

 

その取り組みの中で、2017年度には県内最大手の葬儀社の方との話し合いを行い、2018年度には同様の取り組みをされている大聖寺教区の取り組み事例をご紹介いただきました。

 

2019年度からは、喪主さん方の生の声を聞きたいということで、「通夜葬儀に関するアンケート」を作成し始めました。特に重要視していたのは最後の記述の設問でした。寺、僧侶に対する批判も含めた様々なご意見をいただくことで今後の懇談会の具体的な動きにつなげていきたかったからです。

 

アンケートを僧侶から直接お願いすると恐縮して本音を書いていただけないと考え、葬儀社を通じて喪主家族に配布してもらい、今年2月から取り始め現在に至ります。しかし、取り始めたはいいものの新型コロナウイルス感染症の影響下でのアンケートになってしまいました。

 

アンケートが思うように集まらないことは想定していましたが、葬儀社の方々のご協力により約50通の返答をいただきました。アンケートの内容はこちら。

 

そのアンケート中で以下のことが見えてきました。

 

 

  • コロナ禍で家族葬がさらに増加している。
  • 大多数が通夜葬儀は大切な儀式だと感じている。
  • 生前に故人の思いを聞いておくべきだった。
  • 親戚が力になってくれたり、コロナの状況下でも多くの弔問があり、人のつながりの大切さを感じた。
  • 寺や僧侶に対して割と好意的な意見が多かった。(逆に考えると批判的な意見をお持ちの方はアンケートを書かないことが多いともいえる)

    

 

今後、さらに葬儀社とも協議を重ねながら必要となる施策を講じ、真宗の仏事の恢復に資していきます。

 

その他の通夜葬儀に関する教区の取り組みとして以下のことにも取り組んでいます。

 

御文リーフレットの発行(「末代無智」「聖人一流」「疫癘」「白骨」の4種類)

正信偈リーフレットの発行(通夜で配布し同朋唱和を奨励)

新聞折り込みで葬儀をテーマに新聞を発行予定(県北部全域 発行数155,000部)

 

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(上)御文リーフレット(下)正信偈リーフレット

 

 


 

※恢復…回復と同義です、「恢」にはより盛んに、おおいにという意味があり、ただもとに戻るのではなく、以前よりさらにという意味をもつ「恢」を福井教区教化テーマでも使用しています。

 

(福井教務所)