真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の5つの重点教化施策の一つとして、「真宗の仏事の回復」を進めています。これは朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事が、御本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していくための取り組みです。ここでは各教区の動きを紹介します。

 


私たちが生きる「現在」は、数えきれない程の「過去」の歴史でもあり、そして、まだ見ぬ「未来」もあります。それは、さまざまな「かたち」を通して継承・相続されています。「真宗の仏事」を子孫に継がせたい、継がせたくない、継がせられない・・・。なぜそのような想いが出てくるのか。わたしたちは後の世へ、何が相続されることを願うのか。「仏法ひろまれ」という親鸞聖人の願いとは何か、法縁を過疎化させているのはいったい誰なのか。「世襲」ということにも焦点を当てつつ、再考察してみることを目的として、2021年5月24日に戸次公正氏(大阪教区南溟寺住職)を講師にお迎えし、YouTubeとZoomを併用したオールリモートによる公開講座を開催いたしました。

 

画像1

 

講演の中で戸次氏は、「寺は誰のものか」「お寺は仏さまのものになっていますか」と参加者に問いかけ、どんなに取り巻く環境は変わっても、そこに「お念仏」ということを見失ってはいけないという強いメッセージを発せられました。

 

画像2

 

また、他と比べることはないのにもかかわらず、どうしても比べてしまう私の姿や、わかっているという感覚の危うさも指摘されました。そして、このコロナ禍で大変な状況の中にこそ、身近な人との出会いを求め、声を聞き、“ともに”ということの縁作り、場作りが大切であり、お寺の社会的役割が今まさに問われているのだということを押さえられました。

 

画像5

画像3

 

不自由さばかりが目について、できないことばかりを探してしまいがちな昨今ですが、今出来ることをしっかりと見据え、取り組んでいくことが、今後の教区教化事業の新たな基盤づくりにつながっていくのだと思います。

 

部会による事業報告はこちらをご覧ください。                  

 (北海道教務所)