真宗大谷派(東本願寺)では、宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃事業の5つの重点教化施策の一つとして、「真宗の仏事の回復」を進めています。これは朝夕のお勤めや報恩講をはじめ、通夜・葬儀・法事などのあらゆる仏事が、御本尊を中心とした仏法聴聞の場として回復していくための取り組みです。ここでは各教区の動きを紹介します。

去る2021年12月11日(土)福井別院本瑞寺を会場に、『子ども報恩講』を開催しました。福井教区では、従来、福井別院の報恩講に併せて、親・子・孫の3世代に参拝いただくことを願いとして、3昼夜中、1座を子ども報恩講として開催してきました。

このたび、2021年度においては、子ども報恩講を単独で開催し、従来行ってきた内容に加えて、マルシェを併催し、3世代に留まらず、より幅広い世代を対象として、「お寺に足を運んでもらいたい!」といった願いのもと実施したものです。本事業については、昨年度から計画したものですが、新型コロナウイルス感染拡大を懸念して、やむを得ず中止とした事業であり、1年越しの開催となりました。「たくさんの人に来てもらいたい!…でも、コロナの心配が…」と教化委員で試行錯誤しながら、感染対策等、準備を進めてまいりました。

当日の子ども報恩講には、定員を30名としながらも、大きく上回る申込があり、総勢50名の子どもたちが参加し、お勤めをはじめ、教化委員による仏教絵本の読み聞かせや、お話に耳を傾けていました。その後、本堂はレクリエーション会場となり、堂内に子どもたちの賑やかな声が響き渡っていました。

また、併催したマルシェには、キッチンカーをはじめとする飲食ブースや、雑貨やアクセサリー、ハンドメイドなど計25店舗に出店いただき、老若男女問わず、約700名の参加をいただきました。

“お寺“という場所が、近寄り難い、敷居が高くて入りづらい、などというイメージがある中で、たくさんの方々にお寺に足を運んでいただき、お寺でもこんな楽しいイベントもあるんだという一つの機縁になったのではないかと思います。

なお、参加者からは、「来年もやって欲しい!」「来年も来たい!」といった声が多く寄せられ、好評をいただきました。

【その他、参加者からの声】

・本堂をのぞいてみたら、子どもさんが大勢で驚いた。

・お寺でこういうイベントをしていることに驚いた。

・お話がよかった。お寺に来たって感じで、こういうお話って大事だし、また子どもにも聞かせたいし、自分自身も聞きたい。

寺離れ、宗教離れがますます深刻化する中、少しでもお寺への興味関心の糸口になるよう、今後も教化事業を進めてまいります。

(福井教務所)