6月11日、仙台迎賓館斎苑別館(仙台市)において、慶讃法要お待ち受け大会が開催され、320人が参加しました。大会の開会に先立ち、大谷暢裕門首剃刀による帰敬式が執り行われ、144人の方々が受式、仏弟子としての名告りである法名を受け取りました。その中には、一家がそろって緊張の面持ちで受式する姿もありました。

緊張の面持ちでのおかみそり 

休憩中には、授与された法名を近くの方々と確かめあいながら談笑する姿や、参加者が御本尊の前に集まり記念写真を撮影する姿も多く見受けられました。厳粛で緊張感のある帰敬式の雰囲気と打って変わり、喜びにあふれた和やかな雰囲気が会場に広がっていました。 


その後開会したお待ち受け大会では、古賀堅志参務による挨拶、寺田正寛教務所長の調声のもと同朋唱和での「正信偈」の勤行と続き、門首より「今ほど真宗、念仏の教えが求められている時はありません。皆が不安な中、親鸞聖人が顕かにされた本願念仏のみ教えに生きようではありませんか」と挨拶がありました。引き続き、「むなしさを開く道」をテーマに、二階堂行壽氏(東京教区專福寺住職)による記念講演が行われました。二階堂氏は、東日本大震災後、東京教区同朋社会推進ネットワークの一員として、被災・避難されている方々とご縁を持ち、交流を深められています。「浄土真宗は言葉の宗教といわれる。震災や感染症、戦争といった不安やむなしさの中にあっても、私たちは言葉を聞き、向き合うことによって日々歩んできたのではないか」と言葉が持つ意味や願い、強い力について話されました。 

会場には岩手真宗会館から親鸞聖人の絵像が運びこまれた 


本大会は、未だ収束しない新型コロナの影響で開催が危ぶまれていましたが、1年半の協議を経て帰敬式を中心に構成し、準備が進められました。当日は参加者の不安を取り除くべく、事前の検温やマスク着用をはじめとした感染対策ガイドラインに沿い、無事に開催することができました。教区改編を前に、仙台教区としての最後の大きな事業に、岩手、宮城、福島の三県から多くの方々が参集し、たくさんの笑顔がみられる和やかな雰囲気の中で大会を開催できたことは、来年お迎えする慶讃法要につながる大きな意義が感じられました。


(仙台教区通信員 那波隆広)