後に、道宗は五箇山に行德寺を開き、『道宗心得二十一箇条』を書き記して、真宗門徒としてあるべき姿を示し、生涯親鸞聖人の教えを伝えていきました。

「赤尾道宗心得二十一箇条」は、蓮如上人3回忌にあたり、道宗が記した信仰告白で、そこからは、ただ真っ正直に弥陀と向き合った凡夫の姿がうかがえます。

一、後生の一大事、命のあらん限り、油断してはならぬ。

『道宗心得二十一箇条』第1条

また、蓮如上人に受けたご恩を忘れないよう48願になぞらえた48本の割木の上で痛みに耐えながら眠ったと伝えられています。

私は縁あって越中の真宗門徒の間で暮らしたことがあるが、私の心をいたく()きつけた一つの事実は、如何(いかに)に門徒達が「聴聞」の習慣に濃いかということであった。例えば別院のある越中城端(じょうはな)町では、一年中どこかの寺や在家で、説教のかからぬ日はないのであって、早朝からの勤行にも中々熱心なのである。それに昔からの仕来(しきた)りもあって、中々信仰の談合が信者間で(はげ)しく行われる。(中略)(ほとん)どどの家にも立派な仏壇があって、灯明や活花の絶えたことはないのである。(中略)実にこういう雰囲気が妙好人を生み育てる母体なのを切に感じる。

(柳宗悦『妙好人因幡の源左』新版 序)