2024年11月4日、京都教区近江第11組妙蓮寺(滋賀県彦根市)にて、壮年会主催のワークショップイベントが開催されました。企画内容は、対話型ワークショップのワールド・カフェとバーベキュー。新鮮な交流の場が開かれました。
目次
企画の背景 ~停滞からの再スタート~
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、壮年会の活動は長期間休止状態が続いていました。活動の停滞により新たな会員の募集も困難となり、再始動が課題となっていたことから、壮年会会長より真宗教化センター寺院活性化支援室に相談の連絡がきました。「まずは支援室の話を聞かせてほしい」という要望を受けて出向した企画会議を皮切りに、壮年会の役員たちが話し合いを重ね、ワールド・カフェ形式のワークショップとバーベキューでの親睦が決定されました。
ワールド・カフェは、参加者が小グループに分かれて対話を行い、知識やアイデアを共有するためのワークショップ手法です。カフェのようなリラックスした雰囲気の中で、テーブルを移動しながら異なるテーマについて話し合い、全体の知見を深めていきます。多様な視点が集まり、創造的な解決策や新しい発見が生まれることを目指します。
ワークショップ ~多彩な視点で交流を深める~
まず、壮年会会長と住職による挨拶ではじまり、若院の調声による勤行の後、ワークショップの形に転換です。
今回のワールド・カフェでは、「地域と寺院の未来に向けた取り組み」について対話が行われます。
参加者は3つのグループに分かれ、3つのテーマ(問い)をもとにお互いの考えを話しました。
「あなたにとって地域の好きなところ、魅力は?」
「今後、お寺と地域が元気になるためにどんなことがあればいいと思いますか?」
「お寺と地域の未来のために、あなたが貢献できそうなことは何だと思いますか?また、新たに取り入れたい情報は何でしょうか?」
テーマごとにテーブルメンバーを入れ替わり、地域の魅力や課題、未来に向けたアイデアについて話し合います。地域住民とのつながり、近隣寺院との協働、マルシェや工芸展、子どもたちを惹きつける新しい取り組み、多様な意見が出ました。
ワークショップの後は、向拝の前でバーベキューが開催され、リラックスした雰囲気の中で更なる交流が深まりました。
寺院活性化支援室のサポート ~ワールド・カフェの実施を支える~
寺院活性化支援室は、ワークショップ実施を全面的にサポートしました。事前の会議における視点の提供、テーマ選びから構成のメールサポート、当日の参加者全員が積極的に意見を交わす場づくりなど、細やかに支援しました。これにより、壮年会の新たな交流や継続した活動への意欲へとつながりました。
参加者の声 ~新たな発見と意気込み~
ワークショップ終了後、参加者1人ひとりから感想をいただきました。
以下に、その一部をご紹介します。
「お寺あるいは地域に貢献できる一番はじめは、”参加することから”だと改めて感じさせていただきました。皆さんのご意見から、地域やお寺のことに、”そこまで考えてくださっている”ことに胸を打たれました。今日までに役員さんには何回も集まっていただいて、実施に向けていろいろとご尽力賜りましたが、当初は初めてのことで、どうなるかと心配もしていました。しかし、今日やってみて、この企画は非常に良かったと感じました。 」(住職)
「普段の会話では、地域とお寺の未来について真剣に話し合う機会は意外とないものだと思いました。途中で別の話題に変わったり、なかなか一つのことを真剣に考えるっていうのができていないと思います。今日は何グループか分けてやることで、意見が何個も出て、”そういう考え方もあるんだ”と気づかされました。」(若院)
「今後、やるべきことを皆で話し合えたという実感があります。 ”変えていこう”という人のパワーが源になり、集まりを多く持って、共有して、少しでも話を進めて、一歩一歩進むということの積み重ねで変わっていくということを感じました。」(門徒)
「壮年会に新しい風が入ってきたかなと感じました。自分が何ができるかっていうところは、普段そこまで考えたこともなかったです。何かできることを、小さなことからでも、コツコツとやっていけるようなことを探して、これから頑張ってやっていきたいと思います。」(門徒)
今後への展望 ~持続可能な取り組みを目指して~
今回の企画は、長期にわたる活動休止状態からの再始動するための大きな一歩となりました。今後も寺族と役員の対話を通じて、壮年会活動の充実に向けて進められることが確認されています。
寺院活性化支援室は、寺院の声に応じつつ、今後も必要な支援を届けてまいります。
(真宗教化センター寺院活性化支援室)