2月24日、富山県南砺市の井波別院瑞泉寺にて、地域活性化のアイデア発表会が行われました。
この取り組みは「ローカルデザイナー育成事業」という経済産業省の委託事業で、地域に暮らす人々が、地域の未来を好転させる人や人とのつながりを生み出し、創造することが目的です。
今回は地元の僧侶・彫刻家・建築家・行政職員など20~40代前後の方々十数名がメンバーとなり、瑞泉寺を中心とした井波のまちづくりプランを考案しました。また、この企画には根室別院活性化プロジェクトに関わったデザイン事務所スタジオLと真宗大谷派東本願寺が連携・協力し、何度もワークショップを開催して作業を進めました。(※根室別院活性化プロジェクトについてはこちら)
木彫りの数珠アクセサリーを提案する竹部さん
彫刻家前川さんの木彫りライティングの提案
田中南砺市長(奥左)と山崎スタジオL代表(奥右)も参加
■4つの活性化アイデア
井波は「信仰と木彫りのまち」として有名です。瑞泉寺とともにあるまちの歴史・彫刻など魅力的な資源を活かした4つの企画案が発表されました。1つ目は木彫りの数珠を使ったアクセサリーの開発。2つ目は瑞泉寺彫刻のライティング。3つ目は旧聖徳幼稚園舎を再利用したお休み処とチョコスイーツ作り。4つ目は地元の隠れた魅力を見つけて案内する「まち歩きマニアックガイド」。田中南砺市長とスタジオL代表山崎氏の講評のあと、約100名の来場者はそれぞれの企画についてグループに分かれて意見交換を行いました。
井波木彫りを活かした数珠アクセサリー
ライティングで井波彫刻の龍が浮き彫りに
興味深く試作品を手に取る参加者
まち歩きマニアックガイドで意見を出し合う
旧聖徳幼稚園を再利用できるか館内を視察
旧聖徳幼稚園2階からの眺めは最高
■人と人とがつながる場所に
参加者からは、「井波にはいろいろな団体があるが、それぞれが個々に活動をしていて、つながりが薄かった。今回、瑞泉寺さんが地域の将来を担う意欲ある若い人や団体のつなぎ役になってくれるのは嬉しい。」と今後の展開に期待する声があがりました。
常本別院輪番は「“つたえる・つたわる・つながる”という3つの事柄が大切。地域と別院の活性化の願いを伝え、それがしっかりと伝わった時に、多くの人々とのつながりが生まれるのではないか」と優しく語られました。
来場者に笑顔で話す常本別院輪番(中央)
■和らかな心で
瑞泉寺は聖徳太子ゆかりのお寺でもあります。聖徳太子は和のこころを尊ばれ、また多くの人の言葉を一度に聞き分けて理解し、応答したといわれています。瑞泉寺にご縁のある一人ひとりが、和(やわ)らかな心で、お互いに相手の声を聞いて理解し合い、ともに歩んでいくことが今回の活性化の取り組みに願われていることではないでしょうか。