地域の人口減少と流動・少子高齢化・地域経済の衰退は、寺院基盤を大きく揺るがしています。2012年宗務審議会「過疎問題に関する委員会」では、宗門の過疎問題を、「社会的過疎」と「真宗の教えの過疎」と定義しています。
「社会的過疎」いわゆる過疎問題を止めることは、私たちの力では難しい問題です。しかし、「真宗の教えの過疎」=「真宗の教えが伝わる場と次世代に教えを相続していく環境が損なわれていくこと」には、寺族・ご門徒が手を携えて取り組む必要があると考えています。
この「真宗の教えの過疎」は、“過疎”地域だけの問題でなく、都市部の “過密”地域でもいえることで、単身世帯の増加などにより、家庭での教えの相続はますます難しくなってきました。
企画調整局員や寺院活性化支援員を派遣し、講師派遣に関する要望や内容、また、現場の現状や課題、過疎・過密地域寺院の教化支援に関する要望を「傾聴」を旨として聞き取りを行います。
「事前聞き取り」の内容を材料に、寺族とご門徒、寺院活性化支援員でメニュー(教化事業)を共に創造します。そして、利用できる施策や、本山、教区や組の教化活動につないでいきます。
- お電話いただき、お寺の状況や悩みをお聞かせください
- 支援員がお寺にお伺いします。
- 住職・寺族・門徒にお集まりいただき、「聞き取りシート」を用いてお寺の状況や悩み、思いをお聞かせいただき、これからのお寺について一緒に考えます。
- 聞き取り内容を整理し、寺院活性化支援室で協議。必要により複数回支援員を派遣して、一緒に考えます。
- 支援員は一緒に教化の場をひらくお手伝いをします。
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<利用できる施策>
お寺に寄り添う講師派遣、地域連続法話会助成、離郷門徒のつどい・ふるさと法要助成
一人ひとりの声に耳を澄ませ、その声を届けていきたい
- お寺の将来に対する不安や、思いを忌憚なく話せる場をつくりたい。
- 町の問題がお寺の問題!地域に必要とされるお寺となるために考えてみたい。
- 故郷を離れたご門徒、子や孫へお寺の活動を寺報やホームページ、SNSを使って伝えたい。
- 同朋大会への参加が減っている。参加したくなるような“きっかけ”となる会ができないか。
- お寺の今後のために、住職と総代が共に聞法し、話し合う場をつくりたい。
- 同朋の会の規模が縮小していっている。教えを伝えていくために何とか盛り立てていきたい。
このたびの「お寺に寄り添う講師派遣」では、お寺の現在を寺院活性化支援員が傾聴を旨として聞き取ります。そして、その聞き取りの内容をもとに、教化の取り組みを一緒に考え、テーマに合わせた講師の派遣を行います。
寺院・教会・組で実施される教化事業への講師の派遣。
こんな場面に!
- お寺そのものをどうしていくか話し合う場づくりをしてほしい
- 仏教や、真宗の教え、東本願寺の歴史を学びたい
- 離郷門徒のつどいやふるさと法要の初回講師をお願いしたい
- 同朋の会をはじめるきっかけに初回講師をお願いしたい
- 推進員の意義と役割を学び直したい
- 解放運動や非戦平和を学びたい
寺院活性化支援室「過疎・過密地域寺院教化支援」基本方針
- 寺院・教会及び組で行われる儀式や教化活動を大切にし、「真宗の教えが伝わる場や次世代に教えを相続していく」ための教化活動の支援を目的とする。
- 寺院・教会及び組を取り巻く状況は千差万別で、一元的でなく状況に応じた支援が必要であることから、支援員は現場の「声」やニーズの把握に努め、「傾聴」を旨とし、寺族・門徒とともに考える伴走者となる。
- 過疎・過密地域寺院教化支援担当の支援員は、必ず寺族・門徒と寺院・教会のあり方を共に創造していく。
- 寺院・教会及び組の実情に即した対応にするため、教区と綿密な連携を図る。