008 善財童子のお話は、『華厳経』というお経の中の「入法界品」というところに出てきます。

『華厳経』は、ほとけさまのいのちの中に生かされている私たちのことを四季折々の花にたとえ、タンポポもチューリップも、それこそ名もないような花のひとつひとつが、違う個性のままに、いのちを輝かせて生きる世界(浄土)があることを教えています。その世界を求めて生きる人が善財童子なのです。

善財童子は、最初に文殊菩薩という方に出遇って教えを聞き、自分を知らされ、「今、君は教えを求める心を起こしている。君がどう生きていくべきなのかを先生(善知識)をたずねてお聞きなさい」と教えられます。

そして文殊菩薩をはじめとして、53人の先生をたずねます。善財童子がたずねた53人の先生は、僧侶だけでなく、船頭、商人、王妃、王者、芸人、自然を象徴した神々などあり、それぞれ違う個性の中から、それぞれの教えを善財童子に語られます。それは、ともだち、恋愛、社会、戦争などの青少年が悩み考える問題を、人生の様々な場面の出遇いを通して考えることによって、生まれた意義と生きる喜びを探していくことを表しています。

「ほとけの子」 おしえのしおり 善財童子