10月28日午後6時30分、お寺の本堂からあまり聞きなれない音が聞こえてきました。トントントン…。照明を少し暗くしたなか、打楽器演奏家の石坂亥士氏の登場です。
JR糸魚川駅から歩いて5分ほどのところにある、高田教区第一組西性寺はこの日、報恩講のお逮夜です。報恩講中に行われたこのイベントでは、ご門徒だけではなく、地域の方々にも広く声をかけたそうです。
当日は季節柄、寒さを感じる日で、会場の本堂にも暖房がたかれるなか、70名ほどの人が集まりました。小さなお子さんを連れて来られる若い夫婦、お孫さんといっしょに来られたお年寄り、友達同士で来られた若い方々…。幅広い年齢層の方が集まりました。
はじめにアフリカの民俗音楽が、現地の打楽器である亀の甲羅やアフリカの木琴など、普段私たちが目にしないような珍しい楽器を使って演奏されました。客席の間を移動しながら演奏していると、小さな子どもが目の前の石坂氏のパフォーマンスに驚いて泣いてしまうということもありました。その後、神楽太鼓を今までの伝統的な演奏スタイルとは少し形を変えた、石坂流の新しい演奏スタイルを披露して演奏会は終了しました。
このようなイベントで、お寺を開放してたくさんの人に集まっていただくのは、もっと若い人たちにお寺に来ていただきたいと考えているからだそうです。太鼓の演奏会では、ご門徒ではない若い方が何人も来ておられたようです。
また、若い人にもっと寺に足を運んでもらおうと、住職自身の趣味を生かし、20代から30代を中心に、上は70代のご門徒とのゴルフ大会も企画しているそうです。そこで負けた人に罰ゲーム(?)として年末に本堂の大掃除をお願いしているとのこと。単に掃除をしていただくのではなく、その前には「正信偈」をいっしょにお勤めし、住職の法話を聞いてからはじめるそうです。
最初は、「”本堂のご本尊に手を合わせてから庫裡に来てください”と、お願いしなければならなかったことが、最近では私から何も言わなくても、自分から本堂でお参りされる姿を見ると、何だかうれしいですね」と住職は語られます。
若い人たちや子どもたちをお寺とどのように結びつけるかが、これからの課題なのではないでしょうか。
(高田教区通信員 大滝法円)
『真宗 2009年(2月)』
「今月のお寺」高田教区第1組西性寺
※役職等は『真宗』誌掲載時のまま記載しています。
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