2020年7月29日(水)姫路船場別院本徳寺を会場に、山陽教区慶讃事業委員会主催の慶讃テーマ学習会を開催しました。2023年、真宗本廟にて「宗祖親鸞聖人御誕生八百五十年・立教開宗八百年慶讃法要」を厳修するにあたり、そのテーマに「南無阿弥陀仏 人と生まれたことの意味をたずねていこう」が掲げられています。今後、教区慶讃事業の推進にあたり、慶讃テーマに掲げられた願いを一人ひとりがどう受けとめ、参画するのか。慶讃テーマを策定された委員の一人である、真宗大谷派教学研究所長の楠信生氏をお迎えし、学びを深めました。
今後、各組でも慶讃テーマにかけられた願いが広がるよう、正副組長、教区教化推進本部員を参加対象とし、更には公開講座として、広く教区にも呼びかけを行ったところ、教区内僧侶、推進員の皆さまを中心に計53名の参加がありました。新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響により、人と人とが「集まる」ことが難しい状況下で、このように集えたことは、多くの方が慶讃テーマへの関心を示されていることへの表れでもあるのではないかと思います。同時に、従来は当然だった学習会等の集いが、いかに有難い事だったかを考えさせられる機会ともなりました。
今回、感染予防措置としてソーシャルディスタンス、マスク未着用の方へのマスク配布、来場時の検温、換気等々考えられる限りの対策を行った中での開催となりました。加えて、エアコンのない本堂での開催であったため、熱中症対策として堂内に氷柱を設置し、講義に集中出来る環境作りに取り組みました。
熱中症対策のため設置された氷柱
楠氏はまず、慶讃法要は誰から誰に対しての法要であるのかを皆さんに考えていただきたいと提起され、テーマの冒頭に「南無阿弥陀仏」が掲げられている意味を、様々な聖教を引用しお話されました。南無阿弥陀仏ということばから願われている事実を、まずは一人ひとりのうえにあきらかにすることが大切であり、そのうえで南無阿弥陀仏のことばのもとに、初めて私とあなたが共に「人と生まれたことの意味をたずねていく」ことが出来るのではないかとご教示いただきました。
講義の様子
講師の楠教学研究所長
学習会の最後に、楠氏は慶讃テーマについて目の前の人とも互いに話し合っていただきたい。立教開宗800年を迎えるにあたり、このテーマを通して、宗祖の願いにあらためて立ち返っていくことを願われている。そう括り学習会を閉会しました。
講義を受ける中で、その願いをいただく事がいかに難しいことであるのか、そのままのお念仏をいただく事が難しい私たちの姿に気づいたときに同じ「私」と「あなた」がはじめて見えてくるのではないか、そう考えさせられる学習会でした。
この機会をとおし、それぞれが自身に課題をいただきながら、今後教区は様々な慶讃事業を展開して参ります。
(山陽教務所)