札幌市手稲区にある専修寺では法要以外にも一年をとおしてさまざまなイベントが数多く催されています。地元の若者が主体となって企画運営される万灯会は、提灯に灯をともし法要を勤めるという一般的なものではありません。境内にはキッチンカーが並び、バンドのジャズが鳴り響き、演歌歌手やご当地アイドルが会場を盛り上げ門徒の方々だけではなく、多くの地域住民が集まる、それは夏の風物詩「縁日」そのもの。出店を運営するのは十年ほど前、専修寺の子ども会に参加してくれていた子ども会OBの青年たちです。

境内にて万灯会の法要が勤まります
法要後の境内はお祭りムード!サイダーの早飲み大会に出場する子どもたち!

開基住職である現住職は今から37年前、地域の方々と交流を持ちたいという思いから万灯会法要の案内を門徒の方だけではなく地域の住民に配りました。手稲区は札幌中心地からは車で20分ほどの住宅地で、当時地区には大きなイベントは少なかったといいます。そこで、住職の趣味である音楽活動をきっかけに地域の方々に声をかけて実行委員会を立ち上げ、「音楽イベント」と万灯会を併せて開催したのが始まりでした。

ヨーヨーすくいやスーパーボールすくいなどのお店は専修寺子ども会OBの方が運営します
地元のダンスチームが会場を盛り上げます!
ご当地アイドルがお寺の境内で歌とダンスを披露
道産食材にこだわるキッチンカーを境内に呼んで

このように門徒の方以外の参加が多い法要を続けていくうちに、「このお寺に頼めばきっとこんな会も立ち上げてくれるだろう」ということで、役員の方々から次々に要望が上がったといいます。現在ではフラダンス教室、パークゴルフ、ゴルフコンペ、フラワーアレンジメント教室など、一年中さまざまなイベントが開かれています。

フラダンス教室の様子

コロナの影響で4年ほど開催できていなかったものの、今年はほとんどの会が再開したといいます。
ゴルフの後はお寺で表彰式。パークゴルフの後はお寺で食事会。どの会もしっかりとお寺を感じてもらう、このことをきっかけに新たに定例法座に足を運ぶ方がいたり、葬儀の御縁となったりと、住職の願いはまさにそこにあります。

若院は教区青少教化部門少年研修部会の部会長経験者!子ども会のスペシャリストです!

「ただ待っていてもだめなんです。どんな形でもいいからまずはお寺に来てもらうこと」このことが大切なのだと。コロナが落ち着いてきた昨今、一度薄れた関係性を取り戻すのは容易なことではありませんが、時間をかけ、少しずつ以前の形を取り戻していくことが今後の課題だといいます。

(北海道教区通信員 矢田真之)