真宗同朋会運動研究班報告 「基礎研究と現状と課題調査の再始動」
(名和 達宣 教学研究所所員)

教学研究所の真宗同朋会運動研究班は、今年七月より新体制で研究活動を再始動している。近年は特に、中心課題として「是旃陀羅」問題に取り組んでおり、今年度以降も継続していく予定であるが、それに加え、以下の新たな課題別研究チームが発足したので、ここに報告する。


 
A 同朋会運動基礎資料作成準備チーム
   リーダー 三池 大地 研究員
        木全 琢麿 助手
        藤井 祐介 嘱託研究員
B 同朋会運動の現状と課題調査チーム
   リーダー 松下 俊英 研究員
        谷口 愛沙 助手

 

Aでは、同朋会運動の歴史を学ぶための基礎(土台)となる資料集の作成を目指している。具体的には、運動発足の背景にまつわる資料や、発足後より現在に至るまでの展開のなかで発表されてきた言論(宗務総長演説、運動論・教団論等)、あるいは「教団問題」「宗憲」に関する資料などを、解題付きで項目・視点別にまとめていく予定である。当研究所ではこれまでに、『教化研究』にて同朋会運動に関する特集を組んだり(第一七一・一七二合併号など)、個々の研究論文を発表したりしてきた。このたび作成準備を始めた資料集は、同朋会運動の軌跡をたずね直すとともに、新たな一歩を踏み出していくための土台となることを期している。
 
Bの同朋会運動の現状と課題については、これまでにも調査をおこなってきたが、東日本大震災・能登半島地震をはじめとする大災害や、新型コロナウイルス感染症の問題等を経験してきた「今」の課題を、あらためて調査していく予定である。全国各地の現場に赴き、現地の人と真向かいになり、生の声を聞かせていただきたい。
 
同朋会運動とは、大谷派なる教団を「真宗同朋会」という名のりのもとに問い直す運動であり、ひいては「念仏の僧伽の回復」を願い求めて興起した運動であった。新たに始動した研究活動を通して、その歴史に参画していきたい。

(教学研究所所員・名和 達宣)