5月22日、能登教区済美精舎(石川県七尾市)にて慶讃法要お待ち受け大会が開催され、新型コロナ感染対策として人数制限が行われ、約120人が参加しました。大会の様子はYouTubeにてライブ配信されました。また、大会前日の21日には大谷暢裕門首剃刀による帰敬式が執行され、197人が受式しました。
勤行に続き、大谷暢裕門首の挨拶のあと、能登教区教化テーマ「人と生まれて 能登の大地に親鸞と生きん」が発表されました。テーマ検討委員の福田正充氏(第14組正覺寺)は「能登地方には昔から大切に使われてきた「あたわり」という言葉がある。境遇や寿命、病気など自分の「さんにょ(算用)」ではどうすることもできないものに出遇ったとき、私たちはよく「あたわったもんや」と口にする。しかし「あたわり」とは決して諦めの言葉ではなく、それを引き受け、担っていくという強い覚悟の言葉。「あたわりや」と言いながら念仏に導かれ土壌作りをしてくれた先人たちのおかげで現在の能登の大地がある。私たちも次代のために念仏の種を蒔き続けていくことが大切です。「一人居て喜ばは二人と思うべし、二人居て喜ばは三人と思うべし。その一人は親鸞なり。」という宗祖の言葉のように聖人を傍らに感じながら念仏の道を共に歩んでいきましょう」とテーマの趣旨を述べました。
最後に「世のなか安穏なれ 仏法ひろまれ」を講題に、尾畑文正氏(同朋大学名誉教授)による記念講演が行われました。
尾畑氏は、「昨今の世界情勢を前に、聖人がなぜ「世のなか安穏なれ」(世界が平和でありますように)で終わらず、「仏法ひろまれ」と続けたのか。それは私たち人間が言う「安穏なれ」は自分の都合、立場に立った「安穏」であり、平和を求めて武力行使する。立場を越えた「戦争をやめろ」「殺すな」という真の平和は仏さまの心で考えるしかない。それが「仏法ひろまれ」であり、私たちが「なんまんだぶつ」と念仏申して「正信偈」を勤めるのも、まさに「仏法を根拠にして、自分と自分の世界を見つめることです」と語りました。一人ひとりが真宗門徒としての確かな生き方をあらためて確かめあった大会となりました。
(能登教区通信員 経塚 幸夫)