今回で7回目を数える祐善寺納涼祭は、去る7月23日(日)に開催されました。

今年から新たに子ども報恩講を勤め、祐善寺子ども報恩講&納涼祭として、新たなスタートを切りました。

今年は、北陸地方の梅雨明けが8月にずれこみ、その影響を受けて、当日は時折、雨もぱらつく中での開催となりましたが、約100名の参加者は、祐善寺で良い思い出をいっぱい残すことができました。

 

 

★祐善寺子ども報恩講

子ども報恩講は、文字通り全て子どもたちが主体で運営されました。

参加した20数人の子どもたちは外陣に座り、正信偈同朋奉讃式のお勤めを、皆で唱和しました。導師は、小学6年の野村知世さん。

知世さんは、お家で練習した成果を発揮して、調声も打きんの撥さばきも見事でした。

初めて正信偈同朋奉讃式のお勤めに挑戦した子どもたちもいましたが、知世さんの導師のもと、外陣から子どもたちの大きな声明が響きました。

①子供報恩講

感想:「正信偈同朋奉讃式のお勤め」の導師を担当した野村知世さん(小学6年)

今年の子ども報恩講の導師をさせていただきました。初めてだったので、少し不安でしたが、うまく唱えることができたのでよかったです。

今回の子ども報恩講をとおして、家でもおつとめをしたいと思いました。また、おつとめをする機会があったら、しっかり唱えたいと思います。

 

 

正信偈同朋奉讃式のお勤めのあとは、仏様なぞなぞクイズです。

担当は、小学6年の野村健大郎くん。

クイズに出す問題を何にするか、お友達で考えました。

例えば、こんな問題もありました。

問:数珠の珠の数は、いくつですか?

健大郎くんが出題するクイズに、参加したおとなの皆さんも積極的に、手を挙げて答えていました。

②なぞなぞ

感想:「仏様なぞなぞクイズ」を担当した野村健大郎くん(小学6年)

初めてお経をよんだり、友達と楽しいクイズをしました。ぼくは、ほとけさまなぞなぞクイズの司会をしましたが、きんちょうして少し固まってしまいました。でも、友達と一緒にうまく出来たので良かったです。みんなも楽しそうにしていて良かったです。また、やりたいと思いました。

 

 

子ども報恩講の最後には、「ちかいのことば」を唱和しました。

担当は、小学3年の渡邉芯くん。

 

1・わたくしたちは、仏の子どもになります。

1・わたくしたちは、正しい教えを聞きます。

1・わたくしたちは、みんななかよくいたします。

 

芯くんは、皆の前で堂々と、ちかいのことばを読み上げました。

芯くんが読み上げたあと、おとなも子どもも参加者全員で「ちかいのことば」を唱和しました。

③誓いの言葉

感想:「ちかいのことば」を担当した渡邉芯くん(小学3年)

ぼくは、去年おつとめのとき、「おりん」をたたき、むねがすごくどきどきしました。

今年は、「ちかいのことば」を言ったけど、おちついて言うことができたのでよかったです。

 

 

このようにして、初めての子ども報恩講が勤まりました。

参加して下さった20数名の子どもたち。この体験は、きっと、いつまでも、心の支えとなってくれるでしょう!

本堂に居た子どもも大人も、みんな、とても、良い表情になりました。

 

 

 

子ども報恩講&納涼祭を開催すること    祐善寺 住職   岡 﨑  賢

2010年7月より開催されている「祐善寺納涼祭」は、当寺の夏の恒例行事となりました。また、参集される方も毎回100名前後で、当寺の年中行事のうちで、最も人数が多い行事になりました。

納涼祭のコンセプトは、子どもも大人も気軽にお寺に集える場を作る、というものです。

若者の寺離れが進んでいる、と言われています。若者だけでしょうか?高齢者層や中高年齢層の寺離れも進んでいます。

寺が、もっと地域に開かれていないといけない、寺が誰でも気軽に利用できる1つの社会資源にならないといけない、と思います。しかし、私は、寺が地域社会から遊離してしまっているのではないか、という危機感を強く感じています。

一方で、納涼祭のような騒がしいイベントを寺で開催するのは邪道ではないか?と揶揄する声も聞こえてきます。もう一方では、

お寺に、もっと気軽に行きたい!

お寺に、もう少し楽しいことがあっても良い!

という声も聞かれました。

役員さんの発意からスタートして7回目の納涼祭に、今年から子ども報恩講が加わりました。担当して下さった子どもたちが、一生懸命に取り組んで下さいました。とても、嬉しいことです。住職として、子ども報恩講は、今後も是非、続けていきたいと思ったことでした。

今年から新たにスターとした「子ども報恩講&納涼祭」を、当寺の主要な「教化事業」として、位置づけていきたいと願うばかりです。

 

 

★納涼祭2017アラカルト

納涼祭のメニューは、流しそうめん、焼き鳥、焼きそば、フランクフルト、フライドポテト、枝豆、etc

そして、メインイベントは、餅つき大会です。

賛助出演として、福井県日吉太鼓の皆さんも熱演を披露して下さいました。

ゲームコーナーでは、ヨーヨー釣り、スマートボールすくい等を、楽しみます。

お腹いっぱい、楽しみいっぱいの納涼祭は、空くじなしのビンゴ大会でフィナーレとなります。

それでは、納涼祭ピックアップシーンをお届けします。

 

☆流しそうめん

すっかり納涼祭の目玉となった流しそうめんです!

子どもたちにも、大好評です。

のど越しつるり、の流しそうめんは、夏には欠かせません!

④流しそうめん

☆焼き鳥

境内に焼き鳥の香ばしい香りが支配します。

実行委員会では、“お寺で、焼き鳥をするのは如何なものか?”という反対意見もありました。でも、冷凍の調理品を焼くだけだから、どこのお祭りでも焼き鳥は付き物だから、という意見が大勢を占め、今回のメニューに加わりました。

⑤焼き鳥

☆家族、親族での楽しいひととき

家族お揃いで、親戚の人たちも誘い合わせて参加して納涼祭を楽しみました。

子どもたちにとって、幼少期にお寺で体験した「子ども報恩講&納涼祭」の思い出は、大人になったときにも、よみがえるに違いありません。

⑥団らん

☆餅つき大会

祐善寺納涼祭に餅つき大会が、メニューに加わって3回目。

当初、夏に餅つきは?という意見もありましたが、実施してみるや、納涼祭の最も人気のあるメニューの1つになりました。

餅つき大会には、お年寄りの方も、子どもたちも参加して、杵をふりました。

お年寄りは昔を思い出して、子どもたちには初めての体験です。お寺の境内での餅つき体験。きっと、忘れられない思い出になったことでしょう!

今年の餅つき大会には、ご門徒さんが、春先に野原に芽吹いたヨモギを摘んだものを冷凍して保存し提供して下さいました。

地元産のヨモギ餅は、きな粉や大根おろし、海苔にまぶして美味しく賞味しました。

このように、祐善寺納涼祭は、1回目からご門徒さんの工夫や労力やアイデア等が集まり、実行委員会によって運営されているのです。

 

 

⑦餅つき⑧餅つき②

 

 

☆ゲームコーナーも、大盛況!!

ヨーヨー釣りやスマートボールすくいのゲームコーナーも、子どもたちに“占領”されました。ゲームに興じる子どもたちの眼差しは、真剣そのものでしょう!

ゲームコーナー担当の実行委員さんも、大忙しです!

後ろでは、順番待ちの子どもたちが、手ぐすねを引いて待っています。

 

⑨ヨーヨー釣り

☆賛助演奏は、福井県日吉太鼓の皆さん

納涼祭に賛助出演して下さった西宮さんは、当寺役員さんのお孫さん。

昨年は永代経会でも演奏していただきましたが、今年は、納涼祭で熱演を披露して頂きました!

参加者の中には、太鼓の演奏を生で身近で鑑賞するのは初めて!という方もおられ、感動していました。

⑩日吉太鼓

☆フィナーレは空クジなしのビンゴ大会

ビンゴ大会も、1回目から取り入れている人気イベントです。

リーチがかかっても、“ビンゴ!”が出ず、お目当ての景品がゲットできなくて地団駄を踏んでいる人たちがあちこちに……。

ビンゴ大会のあと、フィナーレでは、全員で『恩徳讃』を斉唱して、祐善寺子ども報恩講&納涼祭は、終わりました。

⑪ビンゴ

このように、今年も楽しい思い出をいっぱい残して、祐善寺子ども報恩講&納涼祭を、開催することができました。

実行委員さん、役員さんが、全面的主体的に運営して成り立っているこの事業は、やはり、誰でもが気軽に集える当寺の教化事業として、いつまでも定着してほしいですね。

 

 

祐善寺子ども報恩講&納涼祭実行委員長からのメッセージ

今年はじめて実施しました子ども報恩講。3人の児童が中心となって、正信偈おつとめの導師、クイズなどの進行を見事にしてくれました。1人ひとりの心意気と、3人の心が1つになっているのが伝わってきて、“なんていいんだろう”と眺めていました。本堂の中は、幼児や児童たちを温かく見守るおとなたちの眼差しと、優しい気持ちが漂っていました。

祐善寺子ども報恩講の良いスタートを作ってくれた子どもたちに、「ありがとう」の言葉を贈ります。

納涼祭恒例の流しそうめんは、雨が止んだひと時に実施しました。さらさらと流れる3色のそうめんに交じり、真っ赤なかわいいミニトマト、ひと口ゼリーも仲間入りしていました。竹を切って、1つひとつ作られた器は大きさ、形は様々で趣があり、味は格別でした。

お餅つきは、臼、杵で子どもも大人もペッタンペッタン。よもぎ入りのお餅は、きな粉餅、おろし餅などにしておなかいっぱいいただきました。

焼き鳥、焼きそば、フライドポテト、フランクフルトのいい匂いが、境内いっぱいでした。

ヨーヨー釣り、スマートボールすくいは、今年はじめてしました。

時折降る雨もなんのその、テント、特大のブルーシート設置と、実行委員さんたちのおかげで、楽しい子ども報恩講&納涼祭ができました。(桑 原 文 子)